平成26年4月から消費税が5%から8%に増税されましたが、今後10%への引き上げが予定されています。当初、消費税の引き上げが経済に悪影響を及ぼす期間は数か月を超えないと言われていましたが、物価上昇は増税後半年を過ぎた今も続き、平均的な家庭の収入は増税に追いついていないと感じます。政府もデフレ脱却の足かせになるという判断から10%への引き上げは少し先送りになり、私も家計の節税のためには何を削って行けば良いのかとシビアに考える毎日です。
販売等を行っている関与先様は値札の張り替えやメニュー表の作成をされたばかりだとお感じの方が多いと思いますが、10%への消費税引き上げはまたその作業をする手間が発生すると同時に、消費税の預り分が増え、納税額が増えることになります。
税金には「直接税」と「間接税」という2つの種類があります。税金を納める人と、払う人が同じになる所得税や法人税などは「直接税」です。一方「間接税」の代表的なものが消費税です。店頭で商品やサービスを購入したときに消費税を支払っているので「直接税」では?と考える人がいるかもしれませんが、私達消費者が店頭で支払った消費税は、お店が一時的に預かり、私達の代わりに納税しているので「間接税」なのです。
お店にとっては「預かった消費税−支払った消費税=納付すべき消費税」ですから、消費税が10%になると、納税額は5%の時代の2倍になります。国(税務署)からすれば消費税は預り金なのだから支払って当たり前と言われそうですが、消費税は事業者にとっては大きな負担になっています。事実、5割程度の企業が滞納しているなど納税の延滞も全ての税金の中で最も多く、今後10%になると益々延滞する企業が増えることが懸念されます。
税金を滞納すると、法定納期限から起算して最初の2箇月間は年2.9%の日割計算、2箇月を過ぎると何と原則として年9.2%の日割計算という、マチ金並みの延滞税(事実上の遅延利息)を取られるからです。延滞税は銀行の支払利息とは異なり、事業の経費にも算入できませんのでダブルパンチです。
そこで関与先様にお勧めしているのが、別口座に毎月積み立てしてもらう事です。
昔から「納税準備預金」と言う口座がありますが、わざわざそれを作らなくても普通預金口座で充分だと思います。たとえ普段お使いの当座預金や普通預金に納税資金の余裕があっても、消費税の積立専用に口座を振り替えることにより決算時に資金繰りに慌てることなく支払ができるので安心です。毎月は振替する時が大変な時期があっても決算時に支払うことが出来れば、分割して延滞税を支払うことを避けることが可能だからです。
そして申告後の消費税納税が終わった時点で、消費税積立口座に残高がある場合、翌期の消費税支払分としてそのまま積立ておけば、なお好ましいと思います。消費税は赤字でも納税発生しますので資金繰り対策としてもぜひ行って頂きたいと思います。
私自身、一度に支払う負担を軽減するために、車を所有していた時は車検・保険・税金用として別に積立をし、今は子供の結婚資金の為、自分の老後の積立として、こつこつと行っている最中です。
「備えあれば憂いなし」是非皆様もお試しください。
毎月、職員達が交代でつれづれなるままに綴っております。