皆様、春が近づき暖かい日が多くなってきましたので、過ごしやすくなってきたのではないでしょうか。今年の冬は新型コロナウイルスの影響で例年よりも家にこもることが多かったと思いますので、春はお散歩など近場へ少しお出かけされてみてはいかがでしょうか。
また、この季節は気温からみれば過ごしやすくなるものの、その反面、花粉がやってくる季節でもあります。私も花粉症なのですが、この季節になると、くしゃみや鼻詰まりなどのような症状が現れます。
ウェザーニュースによれば今年は花粉の飛散量が例年の平均と比較すると減少見込みとのことです。しかし、花粉の少なかった前年に比べると飛散量が大幅に増えるとのことで、東北から九州はほぼ全域で増加し、ひどいところでは3倍近くになる地域もあり、全国平均でも2倍近く見込まれているようです。
昨年の6月前半は前年より日照時間が長くなりかなり多くのスギの雄花が成長し始めたので、スギ雄花は前年より多くなっています。しかし、昨夏は記録的な冷夏となり成長しきれなかった雄花が多いため、例年よりはすくなくなる傾向にあるようです。
また、今年の花粉の飛散時期ですが関西では2月から3月にかけてスギ、3月にハンノキ属(主にオオバヤシャブシ)、4月にはヒノキ科がそれぞれ飛散量のピークを迎える模様です。
前述のように毎年この季節になると。花粉の「飛散量」と「飛散時期」が随時予測発表されていますが、どのように調査されているのでしょうか。
まず、「飛散量」については、夏の気象条件で大まかな予想を立てます。花芽は気温が30度を超え日照時間が多いと多く作られ、翌年春の花粉飛散量は多くなります。逆に最高気温が25度程度のいわゆる冷夏では木は花芽ではなく枝を伸ばすことに注力するため、翌年春の花粉飛散量は少なくなります。この傾向からある程度飛散量の予測を立てます。しかし、夏の気候の判断だけでは実際の雄花の出来具合とズレが生じる場合があるので、加えて、実際にスギの雄花が大きく成長する秋に実際にスギ林に行き雄花の出来具合を観測し必要に応じて予測を修正します。これが飛散量の花粉予報の基礎となります。
次に「飛散時期」については、冬の気象条件を分析します。夏に成長した雄花は、秋に成長をやめ休眠状態になり、年が明けると寒い気温変化が刺激となり休眠から目覚め花を咲かせる準備をします。このことから冬の気温の推移をもとに休眠から目覚めるタイミングを分析し花粉が飛び始める時期を推定するのです。
また、花粉が飛び始めた後も過去のデータと天気予報を加味して花粉予報を随時発表しています。さらに正確性を期すため林を検分し開花状況を確認します。
花粉予測は1年間通して行われた実地調査や結果からの予測検証の繰り返しの上で作られているので、信頼性が高いのでしょう。まるで、会社の決算報告のようですね。
今年は新型コロナウイルスの感染予防の観点から、くしゃみによる飛沫など特に注意が必要です。また、季節の変わり目に入りますので皆様くれぐれもご自愛下さい。
毎月、職員達が交代でつれづれなるままに綴っております。