北澤 沙紀
いよいよ夏が本番を迎え、我が家の表でも毎朝蝉が大合唱をしています。蝉は7年間土の中で眠っているそうですから、「せっかく出てきたからには思う存分鳴いてくれればいい!」とむしろ応援しているくらいなのですが、どうにもその大合唱を聞くだけでよけいに暑さが増してしまう気がして、夏の風物詩とはいえ汗かきの私にとってはありがた迷惑なことだとも思っていたりします。
先日は35度を記録する猛暑日となった地域が全国で65カ所にのぼったと報道されており、ニュースを見ている限りでは「バテる」というより、「予想していなかった暑さに驚いた」という人が殆どではなかったかという印象でした。
こうなると例年あちこちで聞かれるのが「熱中症対策」です。今年もすでに何十人単位での搬送もあったとあり、私自身は丈夫な質だと思っていましたが、もはや他人ごとではなく自分も注意をしておかなければと思ったことでした。体がかなり深刻な状態になるまで気づかないものだそうなので、何よりも予防・対策をしっかりしておかなくてはいけません。
そもそも熱中症というものは、暑さにより体温調節のメカニズムが機能しなくなることで起こります。段階的にご説明しますと、まず気温が体温より高くなってしまうと、空気中への熱の放出が難しくなり汗をかくことでしか体温を調節できなくなってしまいます。次に、それにもかかわらず湿度が75%を超えてしまった場合、あまりの暑さに汗が大量に流れ、そのまま流れ落ちてしまうので体を冷やすことができなくなります。さらに、体温が37度を超えると血管が拡張し、皮膚の血液量を増やして熱を放出しようとする。するとまた体温が上がり発汗などによって体内の水分量が減少。今度は心臓や脳を守るために水分を逃すまいと血管が収縮…。なんという悪循環でしょうか。条件さえ当てはまれば、炎天下だけでなく屋内にいる場合も例外ではありません。時間がたつほどに重症化してしまうそうなので、もしもの時には軽度のうちに気付き、対処できるようにしたいものです。
こまめな水分補給と適切な冷却、これはもう皆さまどなたでもご存知のことと思います。調べていて面白く感じたのは、「熱中症になりにくい食べ物・飲み物」。飲み物はやはりスポーツドリンクでした。疲労回復を促すビタミンB1やクエン酸、汗で失ってしまうカリウムなどが入っていると、なお良いそうです。
ところが食べ物に関しては、「旬の食材をバランスよく食べる。」とのこと。私としてはこれさえ食べていれば大丈夫!くらいの魔法のアイテムのようなものを期待しただけに、結局のところ生活習慣の改善が何においても一番取り沙汰されるのかと苦笑いをしたことでした。なによりもまず夏バテをしない体づくりをすることが重要ということで、やはり今に限った話ではないのですね。暑さにかこつけて毎年そうめんばかり食べていることを少しだけ反省し、「バランスの良い食生活を心がけていかなくては!」と今年は思っております。