11月になりました。今年も残り2ヶ月となりました。9月は決算で忙しかったため更新ができない状態でした。なんとか10月に入り巡回監査が順調に回りだしようやく通常通りにもどりました。


今回の記事は老後問題の2回目です。

介護で老人が老人を見るという構図がありますが、「介護疲れ」で殺してしまったという事件が後を絶ちません。このようなニュースを聞くたびに残念でなりません。中には、育児疲れで自分の子どもを虐待または殺人もありますが、この二つは全然違ってきます。

育児の場合は、子どもの笑顔を見たり、成長していくことがうれしく感じます。1,2歳になると自我が芽生えてわがままになります。まだ若い夫婦にとっては、体力があり子供の体重も軽いこともあってなんとか出来ます。もちろん周りの人の協力もありますが・・・

それに対して、老老問題は、介護する人だけではなく、介護される人も体力もなく、しんどい状況です。今よりも悪くならないようにする。そんな感じで将来が見通せないのかもしれません。

 今回は、老人の医療についてお話をしたいと思います。 

 平成18年6月に「医療制度改革関連法案」が成立して、平成18年10月1日から一部施行されました。今年の8月に研修に参加して、在宅医療や医療法人の改正等の話を聞きました。特に在宅医療の話は初めて聞いたので戸惑いはありました。

 現在も勉強中ですが、今回の「医療制度改革関連法案」は、「健康保険法等の一部を改正する法律」と「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」の二つで出来ています。(法律名がめちゃくちゃ長いです)仕事柄、医療法人の改正ばかりに目がいってしまい、健康保険等の一部改正については、なおざりにしてきました。


健康保険等の一部改正について老人に関するところのポイントは2点です。

1.高齢者の窓口負担の増加

平成18年10月から70歳以上の「現役並み所得者」の窓口での自己負担割合が従来の2割から3割に引き上げられました。平成19年4月からは、70歳から74歳の一般所得者・低所得者については2割負担(現役並み所得者3割)になります。75歳以上の一般所得者・低所得者は現状のまま1割負担です。


2.高齢者医療制度の創設

まずは現状の老人保健制度は(保険と保健の漢字が違います)は、原則として75歳以上の人を対象とした制度です。

対象者は、国民健康保険法や健康保険等の保険に加入している人

運営は、市町村

財源は、国保や健康保険等からの一部拠出金と税金(国税、住民税)で賄っています。



今回の改正で、65歳〜74歳までの前期高齢者、75歳以上の方を後期高齢者と分けます。

75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度が創設されました。

保険料の徴収は、市町村

財政運営は、都道府県ごとに設けられる全市区町村が加入する「広域連合」が行います

財源は、患者負担分を除くと、後期高齢者から1割、公費が5割、国保や健康保険等の医療保険者からの後期高齢者支援金が4割になります。

後期高齢者から徴収する保険料は原則として年金からの天引きになります。

保険料は応益割(頭割り)応能割(所得比例)の合計です。

応益割が3100円/月、応能割(約3100円)の合計 6,200円/月が目安となります。

低所得者には減免措置があります。厚生労働省のHPより

この案は去年の6月から決まっていたものでした。


この法律に関しては、今年急展開がありました。10月26日の与党方針ではこの75歳以上の保険料負担は来年の4月から9月まで「半年凍結」になりさらに半年間は本来支払うべき保険料の1割負担となっています。


医療費の平成20年4月から70歳から74歳の高齢者の患者負担が1割から2割になることが決まっていましたが、こちらも与党の方針で1年間凍結されました。


今国会では来期の税制改正案を考えていますが、負担を将来に回していると思います。何をすべきか目先のみを考えるのではなく、10年50年、100年と将来の日本を考えてくれる方に政治をやってもらいたいものです。一人ひとりが政治に興味を持つことが重要かと思います。今後の政治の動きに注目です

参照 厚生労働省のHP

CFP 望月貴之