私たちは生きていくうえで、病気や事故などのさまざまな危険に遭遇する可能性があります。その危険は突然起こることがほとんどで、その影響は人体にだけではなく経済的にも負担を生じさせます。
社長様をはじめ経営者様におかれましては、さまざまなリスク管理をされているかと思われますが、この場をお借りして改めてお話しさせていただきたいと思います。
リスクの管理を行うにはまず、起こり得る危険について考えます。つまり、発生する危険(=リスク)を確認し、リスクの発生頻度や規模を測定します。そして次に、個々のリスクに対する準備を考え、それを実行または準備が不十分であれば見直しを行います。では、リスクに対する備えとはどういうことが考えられるのでしょうか。大きく分けて2つの対策があります。
一つ目はリスクを避けたり、危険度を減らしたりする「リスク・コントロール」です。
例をあげますと、
■危険を生じさせないような規則を作る(=回避)
■火災による損失を防ぐために消火器や火災報知機を設置する(=損失制御)
■会社内にある製造部門を別の場所に分ける(=分離)
■情報をサーバーなどで集中的に管理する(=結合)
■会社内の一部業務を外部に発注(=移転) などです。
二つ目は、リスクが発生した場合に備え資金対策を行う「リスク・ファイナンシング」です。
その対策とは
■借入による資金補てん
■引当金の計上
■経費での支払いなどリスク発生後の資金的準備を自分自身でまかなう方法(=保有) や
■他社に任せる方法(=移転) などがあります。
他社に任せる方法とは、保険に加入することでリスクを保険会社に移動させるのです。また、保険に加入する以外にもその方法があります。たとえば、銀行から借入をする際に保証人を求められることや、保証協会に保証料を支払うことがありますが、それも移転にあたります。
上記のお話しからは損害に関するリスク管理をイメージしやすいと思いますが、私たち人間自身も年齢を重ねていくことが一種のリスクであると考えることもできます。そこで必要となるのが生活保障に関するリスク管理です。定年退職後の収入や、病気になった時の収入、また、相続税対策などの備えは必要です。しかし個人の力だけでは準備には限界があります。経済的負担を軽減することを目的としている保険という仕組みをうまく利用して、皆様ご自身のライフスタイルにあった備えができているとひとまず安心ですね。
平成23年5月1日
北島 英子
毎月、職員達が交代でつれづれなるままに綴っております。