神崎 裕子

 数年前、関与先の奥様が梅を角砂糖と黒酢で漬けたジュースを出してくださった時、美味しくて感動しました。身体には非常に良いお酢ですが、それまで私は好んで食しておらず、この摂取の方法は良いと感じ、それからは真似をして季節のフルーツで同じように作って炭酸で割って飲み始めました。今では、パプリカやきゅうり等を漬けるだけで簡単で美味しくなるお酢も発売され重宝しています。

 最近、「菌活」という単語を耳にしたので調べてみました。
数多くの菌がある中で、身近なものをご紹介いたします。


酢酸菌
 お酢に含まれる酢酸は血管を拡張し高めの血圧を改善したり、脂肪細胞が膨らむのを防いでくれ、内臓脂肪が減少することに繋げてくれます。最近の研究ではLPS(酢酸菌の細胞壁にある成分)が花粉症(鼻詰まり等)の不快を和らげ、免疫の過剰な反応を抑える働きがあることもわかってきたようです。ただ、LPSは伝統的な昔ながらの長時間かけて自然発酵、熟成させた黒酢や精製していない、にごり酢等にだけ溶けだしているそうです。

ビフィズス菌
 主に大腸で食物繊維をエサに様々な物質を作り出しており、この腸内発酵で主に作り出されているのが乳酸や酢酸です。その効果として、酢酸の強い殺菌力を使い悪玉菌の働きを抑える事が出来て、善玉菌が身を守る為の武器になり腸内環境を変えます。もし腸内で有害な悪玉菌が増えると様々な疾患に繋ってしまいます。
 ほかに、直接傷ついた腸管の上皮細胞に働いて守り、強さを保てるメリットがあるようです。そもそもビフィズス菌は、出産直後から3年間位で人生を決定する腸内細菌であり、その後大事なのはオリゴ糖や食物繊維を含んでいるビフィズス菌のエサになる食物(ゴボウ、玉ねぎ、アスパラガス、ジャガイモ、豆類等)を毎日補充し、良い菌を維持することが重要とされています。

麹菌
 麹菌で作る味噌では、発酵の過程で様々な成分が生まれ(オリゴ糖・ポリフェノール・ペプチド・アミノ酸・イソフラボン・グルコシルセラミド等)大豆のたんぱく質を分解してアミノ酸になり、それがたくさんあると肌がきれいになるようです。
 実験では味噌汁を毎日2杯飲むと肌の水分量が1.4倍に増え、弾力が上がり、キメが細かくなったようで、女性にとっては実践する価値ありだと思います!!
また、グルコシルセラミドという成分をマウスのエサに与えたら、ブラウティアコッコイデス(日本人が昔から発酵食品を継続的に摂取してきた特徴的な菌)という腸内細菌が1.8倍増えた実験データがあり、それは善玉菌で大腸の炎症を抑えたり、精神を安定させる働きもあると言われています。

乳酸菌
 乳酸菌を体の中まで届けるのにお勧めなのは、漬物です。昔ながらの製法で長期熟成された、ぬか漬け・奈良漬等の乳酸菌は腸で生きる力が強く、消化液の中でも生き残った乳酸菌は腸の中で悪玉菌を寄せつけません。

 昔から我々のご先祖様方が食べていた、味噌汁・漬物はパワー食品であり、日本人は世界の人がうらやむような善玉菌をたくさん持っているので、それを最大限に活用するためには何を食べるのか、塩分制限と発酵食品と食物繊維等をよく考えながら菌活に力を入れ、Withコロナの時代、自分の免疫力を高めコロナに負けない打ち勝つ細胞を作っていきたいと思うこの頃です。