鈴木 由紀子

 皆さまはTwitterを利用なさっていますか? ご存じ無い方の為に簡単にご紹介すると、Twitterは1記事が140文字以内のブログのようなもので、フォロワーとはあるユーザーのTweet(つぶやき)を閲覧しているユーザーのこと。今回は『五体不満足』の著者、乙武洋匡さんとそのフォロワーさんのTweetをご紹介したいと思います。

【乙武】 
昨日は、講演会で高校生からこんな質問を受けました。「乙武さんにとっての幸せって何ですか?」――その問いに、さっと答えが用意できている人、つまり"自分なりの"幸せの定義がある人は強いんだろうなあと思う。みなさんなら、なんて答えますか?そして、その答えに沿った日々を送っていますか?

【乙武】
たった2時間で、おびただしい数のリプライが。ひとつひとつ、「ふむふむ」「おお、こんな価値観も」などと読ませていただきました。そして、あらためて僕が重要だと考えたのは、他人の価値観を否定しないこと。「私にはこれが幸せ」という意見に、「それはおかしい」と異論をぶつけるのはナンセンス。

【フォロワーA】
その幸福感が将来不幸になる可能性をはらんでいても「それはおかしい」と意見するのはナンセンスでしょうか?

【乙武】
「将来不幸になる」と言っても、どんな状態を不幸と感じるかも、人それぞれだと思うんです。あなたの不幸観と相手の不幸観が同じとはかぎらない。

【フォロワーB】
アドバイスと価値観の押しつけを同じものとして捉えてはいけないですよね。相手の知らない選択肢を提示しつつ、相手の価値観を尊重できる意見の仕方を考えていけたらと思います。

【乙武】
そうそう。まさに僕が言いたかったこと。僕より説明上手な方がいて助かりました(^o^;


Aさんには自分の意見が正しいという前提があり、Aさんから見ると「間違っている人」にAさんが正しいと信じる道を教えてあげたい、と思うようですね。特に年配の方は年少者に対してAさんと同じような気持ちを抱く事も多いのではないでしょうか。かつて自分が通り、間違いだったと自覚している道に進もうとしている人が目の前に居るなら尚更でしょう。しかし自分は間違いだったと思っていても、当事者は良い経験と受け止めるかもしれません。だからこそ、アドバイスはしても相手を「おかしい」と否定して自分の意見を押しつける事はせず、相手の価値観を尊重することが大切だと思う、と乙武さんやBさんは仰っています。

私は自分の意見を伝える場合、「私はこう思うけど・・・」と、あくまでもこれは自分の意見であり、それが全てでは無いという表現をするように意識していますが、上手く伝わらない事も多々あり、なかなか難しいと実感しています。
自分こそが正しいと思っていると、自分と違う意見を認められず、腹を立てたり、この人はダメだと切り捨てたりしがちです。皆さんは自分が正しいと信じる事と真逆の事を主張する人がいても、寛容になれますか?

「みんなちがって、みんないい」

これは金子みすずさんの詩にある言葉で、先にご紹介した乙武さんもいつも仰る事です。未熟者の私ですが、1人の社会人として、親として、そんな器の大きな人間になれるよう心がけ、毎日を過ごしていきたいと思います。