神 裕子

 数年前から引越しをしたいと考えていたものの、なかなか出来なかったのは物を捨てて整理する事が苦手な性分が原因でした。しかし、娘が結婚で出ていく際、荷物の整理等を手伝っていくうちに自分の重い腰をあげる後押しとなり、去年の秋に無事に引越しする事ができました。その時に、断捨離の必要性をしみじみと感じ、実践する事が可能となりました。

断捨離とは、「必要のないモノを断ち、捨てて、執着することから離れる」という意味をあらわす整理法のひとつで、これはヨガの考え方である「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」を応用したものだと言われています。

『断』
これから入ってくる必要のないモノを断つ(買わない)

無駄なモノを買わず、必要のないモノを新しく買わない勇気を持つ。

『捨』
 いま持っている必要ないモノを捨てる

モノへの執着をなくし、必要のないモノをどんどん捨てる勇気を持つ。必要になったら買い直す。

『離』
 モノへ執着することから離れる(物欲をなくす)


断捨離は事実上、2ステップのようです。

今回の引越し時には、整理・収納好きな娘がかなり手伝ってくれました。「これは必要なの?使っている所を見たことがないけど。とりあえず…は極力認めない!」と詰め寄られ最終的には追い込まれて、処分という選択をしたものが結構ありました。「捨てたくても捨てられない」私にとって、結果的には娘のおかげで、引越し後はスペースが増え、また物の量が減ったことにより部屋の片づけが楽になり「散らかさない、少し散らかると嫌になる」という意識改革ができました。そして、洋服や備品等を購入する際には慎重になり、本当に必要なモノか見極める力を徐々に身に着け(ているつもりですが)、シミュレーションして購入するようになりました。断捨離を継続することで、本当に必要なモノだけしか持たないシンプルな暮らしができそうです。

ここまで断捨離にこだわったのには、もうひとつ目の当たりにした出来事がありました。それは、終活のひとつですが、田舎に住んでいた義母が数年前に亡くなり、去年その家を売却することになりました。別世帯で生活している義姉がその家財を引き払う際、多大な時間と労力と金銭が必要だった事が印象深く、負の遺産を、生前に整理する重要性が見て取れたからです。義母には悪気は全くなく、認識不足だったと思いますが、義姉はかなりしんどかったと聞きました。この事をきっかけに、日頃から断捨離の意識を持ち、スッキリとした生活、生き方を心掛けたいとつくづく感じたからです。

まだ、断捨離と向き合っていない方がおられましたら、気に留めていただけると少し良い変化があるかもしれませんね。私もまだまだ整理する部分があるので、コツコツと断捨離を実践していこうと思っているこの頃です。