12月になりますと年末調整に伴い多くの方が扶養控除申告書や保険の控除証明を会社に提出するように言われていることでしょう。面倒だなぁ・・・と思われている方は、要注意。これらの書類は、皆さんが国に払う税金を決定させるために重要な資料です。控除証明がどこかに行ってしまったから提出しないとか、扶養控除申告書をどのように記入したらいいか分からないからといって氏名・住所だけを記入していませんか?これらの方は気付かないうちに税金を多く払っている可能性があります。とは言えこの扶養控除申告書、多くの場合、会社から氏名・住所・扶養者を記入してくださいとだけ言われ詳しい説明を受けずなんとなく記入して提出しているという方が、意外に多いのが現実かも知れません。そこで今回はそんな扶養控除申告書の記入事項(方法)を簡単に紹介したいと思います。

A 控除対象配偶者
  所得者(給与を受けた本人)と生計を一にする配偶者

B 控除対象扶養親族(16歳以上の人)(平成8年1月1日以前に生まれた人)
  所得者(給与を受けた本人)と生計を一にする親族(上記A控除対象配偶者を除く。)
 (注)1 ここでいう「親族」とは、6親等内の血族と3親等内の姻族をいいます。
    2 児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子や老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる
      養護老人で、所得者と生計を一にし、合計所得金額が38万円以下の人も扶養親族に含まれます。

C 障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生
  障害者 …所得者本人やその控除対象配偶者、扶養親族で、一定の要件に該当する人
  寡婦  …夫と死別又は離婚後、婚姻していない人で、扶養親族等のある人、若しくは夫と死別した後、婚姻してない
       人で合計所得金額が500万円以下の人。
  
  寡夫  …妻と死別又は離婚後、婚姻していない人で、生計を一にする子があり、かつ、合計所得金額が500万円以
       下の人。

  勤労学生…所得者本人が学生等で合計所得金額が65万円以下、かつ合計所得金額のうち給与所得等以外の所得金額が
       10万円以下である人。

D 他の所得者が控除を受ける扶養親族等
  所得者本人の同一生計内に所得者(配偶者等)がいるときにおいて、扶養親族等を分けて控除を受ける場合。

   住民税に関する事項 … 年齢16歳未満(平成9年1月2以降生)の扶養親族を記載

以上が概ね扶養控除申告書に記載すべき事項です。これらの事項で記載漏れが多いのは、障害者や寡婦・寡夫に該当する場合です。当該箇所に記載がない限り控除の対象とはならず多く税金を納付することになりますので記載漏れは重々ご注意ください。もし記載漏れにお気づきになられましたら、扶養控除申告書を訂正してください。年末調整が完了するまでは、間に合います。
なお、今年度は震災に伴い多くの方が寄付をされたと思います。国・地方公共団体・日本赤十字社等にされました一定の寄付金は、所得控除の対象となりますがこちらは、医療費控除同様、年末調整では控除されないため、確定申告を行う必要があります。
増税の波が多くの方の負担となっている時代です。今年度の扶養控除申告書を記載される際は再度、記入事項を確認してみたらいかがでしょうか。不明点は、お気軽に担当者までお尋ねください。                
※掲載欄の都合上、詳細を記載することは出来ませんでしたので、詳しくは扶養控除申告書の裏面又は国税庁HPをご参照ください。

以上
長谷川 晋也