燒リ 成子

先月の北島さんに続き行事ネタで申し訳ありませんが、3月と言えば桃の節句ですよね。
ピンクの桃の花を見ると、なんとなく心がうきうきしてしまいます。

我が家も昨年までは2月の節分が終わった最初の大安の午前中に段飾りを出してお雛様をお飾りしていました。長女が生まれた時に実家の両親がお祝いに買ってくれました。
幸いにも嫁ぎ先に段飾りを飾れる部屋がありましたので、私のわがままで大きな段飾りを買ってもらったのですが、当の娘たちは全く見向きもしてくれず私が飾って私が仕舞ってと、娘たちの節句と言うより私の節句になっていたのだと思います。
さぁ確定申告が始まるなぁという時期にも関わらず、お飾りが終わると段飾りの前に座って優しいお顔のお内裏様とお雛様をほっこりとして眺めていました。三人官女や五人囃子、老人と若人・嫁入り道具を見ていると「いつ娘たちが私たちの元を巣立って行ってくれるのだろう」と時間を忘れて想い耽っていたものです。

25年が過ぎお道具類も糊が外れてきて、昨年節句が終わった時に娘たちと話し合い和歌山にある淡島神社に納めて来ました。
昔のように海に流すことは無くなったのだとは思いますが、人形たちの卒業と同時に娘に対する親の役目も少しだけ卒業出来たかと思っていました。

ずいぶん昔ですが、泉が丘にあるとある病院に流し雛の写真が飾られていました。お雛様が海の中の大きな波の中に浮かんでいたのですが、その波の凄まじい光景と穏やかなお雛様との印象が違いすぎてお雛様を飾るたびに思い出していたものです。
今回ちょっと調べてみると本来は女の子の行事では無かったようですね。

雛まつりの起源は300年頃の古代中国で起こった「上巳節」(じょうしせつ)。“季節の変わり目は災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたためこの日に水辺で穢れを祓う”と言う習慣が遣唐使によって日本に伝わった際に人形(ひとがた)で自分の体をなでて穢れを移し川や海に流すようになったようですね。武家社会に広がった際に5月5日の端午の節句が男の子の節句であるのに対し3月3日を女の子の節句として定着させて行ったそうです。
「桃の節句」と言う別名は桃の木が邪気を祓う神聖な木と考えられていた所から、桃の咲くこの時期と重なりこう呼ばれるようになったそうです。

良く言われることに“仕舞い遅れるとお嫁に行き遅れる“とありますが、「片付けの出来ない娘は良いお嫁さんになれないよ」と言う意味で年長者からの戒めの言葉だと書かれていました。
親の役目も少し卒業と考えていた私ですが、仕舞う事以前にお飾りするところから私がしてしまっていたこと自体が娘たちに対する教育を間違えていた事に気が付きました。
なんでも親の私が率先してやってしまっていたこと、ずいぶん遅いかもしれませんが、良いお嫁さんになる為に、今から娘たちに片付けることを自らして行ってもらえるように第二の教育を開始したいと思います。
いつかは、お雛様のように素敵なお嫁さんになって欲しいと願っています。