西野 信宏
最近、音楽や映画の視聴方法が大きく変わってきました。アップルミュージックや、ネットフリックスなどの定額制サービスが急拡大しています。皆様も、何か使用しているものはありますか?私は、アップルミュージックを使用しています。飲食店などで、気になる音楽を聞いたときは、スマートフォンで音楽検索を行い、すぐにダウンロードを行います。次からは自由に聞くことができます。さらに、類似のおすすめ曲まで紹介してくれます。以前のようにCDを購入して聞いていたことを考えると、「すごい時代になったな」と一人で感動しています。
このような定額制サービスは、サブスクリプションサービスと呼ばれていますが、どのようなビジネスモデルかご存知でしょうか?
サブスクリプションとは『購読』という意味であり、月や年ごとに、定額の利用料を支払うことで、一定期間の利用の権利が得られるというビジネスモデルであり、急速に浸透しています。この背景には、「人々の興味が所有することから、利用することに移行してきており、必要な機能を必要に応じて利用したいという、現代のニーズに合致しているためだ」と言われています。この時代の流れに伴い、企業側でも商品を販売するよりも、利用契約をしてもらうことにより、消費者と継続的につながることを重視するようになっています。
最近では、このサブスクリプションビジネスが、音楽や映画以外のさまざまなビジネスにも浸透しています。例えば、トヨタは車の販売に導入しており、頭金なし、必要な諸費用が最初から含まれた定額性サービスを行っています。また、カフェのコーヒーやラーメンにまで、サブスクリプションサービスが導入されています。
サブスクリプションサービスのメリット
利用者にとってのメリット
@始めることが簡単
購入する場合と比較すると、最初に必要な金額がとても安くなります。最初に無料期間が設定されていることも多く、不要になれば、すぐに辞めることも可能です。
A最新のサービスが受けられる
事業者側にとってのメリット
@データの収集
継続的に顧客と繋がることにより、データを集めやすくなります。どのようなコンテンツに人気があり、どんな場所で利用が止まったか等を把握できれば、求められているニーズに合ったサービスを行うことができます。
Aキャッシュフローの予測
将来のキャッシュフローを予測しやすくなります。販売形式のビジネスモデルであれば、販売時に大きく売上が計上されます。しかし、新商品への買い替えがなければ、次の売上が計上されることはありません。一方、サブスクリプションサービスであれば、契約が続く間は収入を確保できます。つまり、ユーザーに魅力的なコンテンツを提供することが出来ており、飽きられることがなく契約が継続されれば、売上が平準化されキャッシュフローが安定します。
もちろんデメリットもあり、利用者にとって利用頻度が少ない場合にも定額を支払うことになります。このように、メリットやデメリットがあるサブスクリプションサービスですが、在庫を持たずに、インターネットなどを利用して、無制限にサービスを拡大できる種類のビジネスに向いているとされています。現在は車や家具家電、飲食品にも導入されています。今後も、どのような商品に定額制サービスが導入されるのか注目していきたいと思います。