柳生 兵庫

 先日事務所が申し込んで下さった、新入職員用の新人研修を受講してきました。当研修は関西のTKC会計事務所の新入職員対象に開催されたもので、大阪だけではなく京都や兵庫などからも総勢40人ほどが集まり、2泊3日で行われました。講義の内容は基本的なビジネスマナー講座や、TKCの理念、職業会計人としての心構えというものでした。

その中でもビジネスマナーの講義は私にとって一番身近な課題で大変勉強になりました。私は今のところ内勤担当なので、事務所にお越しいただいたお客様の対応、お茶出し、電話対応などをすることが多く、普段から失礼の無いよう気をつけていました。
しかし改めてプロの先生の講義を受けてみると、それまで自分が正しいと思っていたことが全くの見当違いであったり、少しの言葉を付け足すだけで話の受け手の印象が格段によくなったり、所作1つをとってもその仕草がどのような意味を持ち、それが相手にどのような印象を与えるかなど、自分の細かい気配りが足りていないことに気付かされるなど新しい発見がたくさんありました。

先生が会社の40、50代の方々でも間違ったビジネスマナーをしている人がたくさんいるとおっしゃっている中で、新人の今のうちにこのような機会に恵まれた自分は幸運だと思いました。そして講師の先生が最後におっしゃった「ビジネスマナーに正解などなく、色々な人の色々な正解を吸収してほしい」という言葉が非常に印象深く、日々人の行動を参考にし、吸収していこうと思いました。

 そしてTKCの理念、職業会計人としての心構えの講義では、TKCの初代会長故飯塚先生の生い立ちから、会計業務に対してどのような考え方を持っていたか、それを通して会計人はいかにあるべきかをわかりやすく解説していただきました。飯塚先生がアメリカに行った際に将来のコンピュータによる会計が主流になることを予想し、その足で2000冊もの専門書を買って帰り、様々な国の書物を翻訳するなど、当時の環境では考えられないほどの功績を残されたのだと感銘を受けました。また、飯塚先生は「自利利他」という姿勢で会計人として仕事をすべきだと主張されます。
将来、担当の関与先を持った際には「自利利他」つまり、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ、という考えを私も踏襲できるよう常々心がけようと思いました。

 そして最後に私がこの研修で得た最も貴重なものが、同じ志をもった多くの人たちと出会えたことでした。私には同期というものがいなかったので、友人が同期の話をするたびに羨ましく思っていました。その分この研修で同じ立場の人々と交流し仲良くなれたことが非常に嬉しく、お互い切磋琢磨できるような関係を築いていきたいと思います。

このような素晴らしい研修を申し込んで下さった事務所に感謝の思いで一杯です。この研修で得たものを知識だけのものとせず、習慣化し実際仕事に役立てるよう努めようと思います。