私は結婚以来15年間、夫の両親と同居していました。そんな話をすると「え!旦那さんのご両親と同居しているの??偉いねぇ〜。」とよく褒めていただいたものです。が、私も姑も双方の我慢なしには同居なんて絶対に出来ないものです。
私の結婚した時代(昭和の終わりぐらい)は、「結婚したら、夫の両親と同居するのは当たり前。別居するのは嫁のわがまま。」ぐらいのことを言われましたが、現実には娘を嫁がせる親御さんは別居を望まれる方も多かったように思います。事実、私の両親も同居には反対でした。しかし私は今の仕事を続けたかったし姑も続けることを賛成してくれていましたので、あまり深く考えず最初から同居しました。
でも正直最初は大変でした。私の嫁入り道具が気に入らないと勝手に捨てられたり、仕事の帰りが遅いと「遊んでいる」と言って鍵をかけて家に入れてもらえなかったり。次女の出産の時は「また女か。後継ぎも産めないのか。」と病院で怒鳴られました。今思えば結構いじわるされたものですね。でも姑はしっかり女の子二人の母親をやってくれました。そうして少しずつ家族になっていったと思います。
晩年、姑は8年間白血病を患い、7年前に他界しました。娘たちにしてもらった恩を姑に返したい気持ちで、私なりに一生懸命に看病しました。姑は同室の患者さんに「嫁が良くやってくれてうれしい。」と言ってくれていたようです。
姑が他界した翌年には、以前より肝臓がんを患っていた舅も他界していまい、嵐のような15年間の同居生活が終わりました。
私は今でも姑には感謝しています。好きだったかと聞かれれば決して好きでは無かったかも知れませんが、今の生活がとても充実したものに感じられるのもあの15年があったからだと思います。良いことばかりでは無いですが、悪いことばかりでも無いですよ。
今から結婚しようと思われる方は、是非是非参考にしてみてください。自分の親には我儘を通してしまいますが、他人の親には遠慮があってその距離が良いものです。
家庭だけでなく企業でもそうではないでしょうか?
最初から良い関係でスタートする訳ではなく、お互いに感謝すると言う気持ちを通じ合わせる努力をすれば、いつか思い合っていける関係になるのではないでしょうか。
働かせていただいているという心、働いてもらっているという心を持ってどうぞ一緒に大きな目標に向かって進んでください。
きっと素晴らしい企業になると思います。
平成23年5月1日
燒リ 成子
毎月、職員達が交代でつれづれなるままに綴っております。