代表社員 福田 重実

昨年末に令和4年度の税制改正が設立しました。その主な内容をご紹介します。
1 住宅ローン減税の見直し
 @ 控除率 1%から0.7%に引下

 A 借入限度額
  新築住宅

   認定住宅       5,000万円
   ZEH住宅       4,500万円
   省エネ基準適合住宅  4,000万円
   その他の住宅     3,000万円

  中古住宅
   認定住宅、ZEH住宅、省エネ基準適合住宅  3,000万円
   その他住宅                2,000万円

 B控除期間
   新築住宅
         13年
   中古住宅         10年

 C所得要件  2,000万円 (従来3,000万円)

 D床面積
   原則 50u以上
   合計所得1,000万円以下 40u以上

2 住宅取得等資金贈与の非課税特例の延長・見直し
   非課税限度額

    適用期間  令和4年1月1日から令和5年12月31日
    一般住宅              500万円
    省エネ、耐震、バリアフリー住宅  1,000万円

3 中小企業向け賃上げ促進税制の見直し・延長
適用要件改正
給与総額の増加率雇用者全体の給与:前年対比1.5%以上
税額控除控除率最大40%
控除率を乗ずる対象雇用者全体の給与総額の対前年増加額
控除率基本15%
賃上15% 雇用者全体の給与総額対前年増加率2.5%以上
教育訓練費10% 教育訓練費の対前年増加率10%以上
控除上限額当期の法人税額の20%

4 相続税・贈与税の一体課税について
 マスコミ等で相続税・贈与税の一体課税の見直しとして、生前贈与が廃止されるということが報じられました。
しかし今回の改正ではそれは俎上しませんでしたので、今まで通り生前贈与は可能です。
しかし、毎年暦年贈与を長く続けると相続税の負担が軽減されることが問題視される事は確かです。私見ですが生前贈与が廃止されるのでなく、相続開始前3年以内の相続人に対する相続財産への持ち戻し期間が3年から延長されるのでないかと思います。
また贈与税の基礎控除は110万円ですが、相続税法では60万円のところ措置法で110万円とされています。つまり本法60万円に戻される可能性があると思います。
相続税・贈与税の一体課税の対策として財産を分類し贈与や売却することがポイントとなります。

@ 将来値上がりするもの 
 評価の低い株式、調整区域の土地で市街化区域に編入が見込まれるもの

A 収益を生むもの
 投資信託や株式配当を受け取るもの、収益のある不動産

B 評価額を下げる 
 建物を建てる

C 課税特例を利用する
 共有持分として居住用財産の譲渡の3,000万円控除、収容等の5,000万円控除の利用
 上記のものを生前贈与や売却し、相続時精算課税を活用する。

D 相続人以外への贈与

 コロナ関連の給付金等で国の支出が膨大なものになりましたので、いずれその穴埋めとして所得税や法人税、相続税等で増税される事が予測されます。東日本大震災の復興特別税として平成25年から令和19年まで所得税の2.1%が課税されているように、コロナ特別税のような特別税が課税される可能性があると思います。