金利と債券の話です。今回でこの話題は終わります。
「お金は少しでも有利なほうに流れる。」これにつきます。投資家は利回りをもとに投資をしていきます。投資が株式会社、国債、もちろん外国投資も行うことがあります。利回りとは、自分の投資した金額(元本)に対してどのくらいの利益が出るのかを年率であらわしたものです。
ここでは、最近発行された10年物国債について具体的に見てみます。
平成18年9月20日発行、平成28年9月20日償還 額面5万円
利率: 額面に対して年に何%の利子がつくかの割合、発行時に決定 クーポンともいう。
表面利率1.7%
利息(利子): 利率により実際に支払われる金額 半年ごと3月、9月に利息として受け取り
ます。この場合は 額面5万円に対して425円(税引き前)半年ごと
利回り: 自分の投資した元本に対して、年に何%の利益がでるかの割合、%
平成18年10月24日 1.815% 単価99.04 ブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)より単価とは100円の額面に対して99.04円で取引されています。
債券の購入方法としては、
@ 新規に発行されたときに購入し、満期日まで保有する
A 新規に発行されたときに購入し、満期日前に売却する
B 発行後途中で購入し、満期日まで保有する
C 発行後途中で購入し、満期日前に売却する
国債は金融機関、証券会社、郵便局で購入することが出来ます。発行後、満期日までの間は債券の価格は変動します。債券も満期日まで持っていれば最終的に額面金額で資金を返してくれますが、満期日前に売買すると、価格は額面金額を下回っていることもあれば、上回っていることもあります。利息は毎年決まった利息をもらえます。国債、地方債、社債をする際のポイントは、毎年決まった利息をもらえて(利息収入の確定)、償還日にはしっかりと額面で償還される(元本の安全性)という2点です。
長期金利とは、この最近発行された10年物の国債の利回りのことを一般的に表します。
長期金利は短期金利とは連動していません。長期資金の需要と供給の市場メカニズムで決定されます。また将来の短期金利の推移などの予測で決定されます。
上記の国債の表面利率は1.7% 長期金利が平成18年10月24日時点で利回りが1.8%ほどです。
となると債券の価格を低くすることにより利回りを1.8%近くまで持っていくことができます。債券の値動きと金利動向を見るうえでもっとも大切でしかも混乱しやすいことは、その動き方が逆であるということです。日銀のホームページに長期金利の決まり方の長期金利を左右する「予測」の事例が分かりやすいかと思います。
○ 金利(利回り)上昇 → 債券の価格(価値)下落
○ 金利(利回り)低下 → 債券の価格(価値)上昇
最近の事例を比較してみると 平成18年10月23日前後
10年長期国債 利回り 1.815% (表面金利 1.7%)
(個人が購入時に証券会社等の手数料がかかるのでもう少し利回りが下がると思います)
個人向け国債 10年変動 利率 0.92%
(期間中の買取は日本政府のみ 利率が半年ごとに変更)
個人向け国債 5年固定 利率 1.13% 5年間固定
スーパー定期預金 10年 利率 0.795% (半年複利)
300万円以上 5年 利率 0.582% (半年複利)
定額貯金(郵便局) 3年以上 利率 0.30% (半年複利)
参考:日銀、財務省のホームページ
利率は経済状況によって変化します。利率と利回りの違いをよく理解して資産運用を行ってください。金利は一つの時点だけでは判断できず複数の要因が絡んで変わってきます。7月末に長期金利が下がりました。ゼロ金利解除後に長期金利が上がると言われていましたが、消費者物価指数が思っていた以上に上がっていなかったため長期金利が下がりました。サプライズよって金利は変わってきます。
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平成18年 『「金利が上がれば国債が下がる」とは 第3回』
文責 CFP 望月貴之
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