税理士 花谷隆之
昨年の12月26日に安倍政権が発足し、その期待感から株価上昇や円安兆候等といった経済的に景気の良いニュースが新年早々からよく聞かれます。この一年間は日本経済が活力を取り戻し、皆様にとって躍進の年になることを祈念せずにはいられません!
私は年始には初詣に伊勢神宮へ行くことが毎年の恒例行事となっており、もちろん今年も片道約185キロの長い道のりを走破して参りました。
今年、伊勢神宮では式年遷宮(しきねんせんぐう)という大きな行事が行われます。式年遷宮とは飛鳥時代から約1300年間にわたり行われてきたもので、原則として20年に一度内宮と外宮のご正宮や別官等の建物を作り替えるという伝統行事です。 式年遷宮の特徴の一つとして、建物が壊れていなくても必ず20年という周期で定期的に建て替えを行うということを挙げる事ができます。なぜ伊勢神宮は古来よりまだ壊れていない建物にこのような定期的な建て替えを続けてきたのでしょうか。
その理由としていくつかの考え方はありますが、これには「常若」(とこわか)という神道の考え方が根底にあるといわれています。
「常若」とは「常に若々しく瑞々しい事」をあらわす言葉です。建物がいまだ使用可能の状態であっても、老朽化することは汚れ(ケガレ。気枯れ。)ることであり、神の生命力を衰えさせることとして忌み嫌われたため、建物を新しくすることにより神の生命力を蘇らせ、活性化することになると考えられたのではないか、という説です。
伊勢神宮は定期的に建て替えを行うことで常に若々しく瑞々しくあり続けてきたのです。古来より日本人は、伊勢神宮、さらには日本がいつまでも古くならず若々しいままで、永遠に発展していくようにとの願いを込めて20年に1度、式年遷宮を行ってきたのではないでしょうか。 このように古来より日本人は「常若」に象徴されるような、常に新しく居続けようとする素晴らしい精神を持っていたのです。
現代人、特にビジネスに関わる人たちにとって、常に新しく居続けようとするこの精神は大変重要なものであると思います。どんなことでも何もせずに放置しておけば、時の流れにより古くなり廃れていってしまいます。さらに現代においては、昔では考えられなかったような様々な技術やサービスが進歩し、時の流れはさらに速さを増しています。我々は古来からの日本人の精神を鑑み、時の流れによって古いものになってしまわないように常に新しく居続ける努力を行っていく必要があるのではないでしょうか。
我々税理士法人マークスもお陰さまで設立3期目を迎えました。古い会計事務所にならないよう、現状に満足することなく常に新たなことに取り組み続け、皆様のお役に立てるよう精一杯努力して参ります。
この一年間、皆様が「常若」で発展し続ける年になりますように!!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。