新年明けましておめでとうございます。
我々は昨年、税理士法人マークスとして新たなスタートを切ることができ、これもひとえに皆様の日頃のご愛顧のおかげであると深く感謝申し上げます。
2008年9月のリーマンショック以降、依然として厳しい経済状況が続いております。それに伴い中小企業をはじめとする日本の企業の多くが、厳しい経営状況となっています。このような厳しい状況の時こそ「正しい経理処理」・「正しい試算表」・「正しい決算書」がこれまで以上に重要になってくると思います。
会社にとって試算表・決算書は会社の健康状態(経営成績・財政状態)をチェックする診断書であるといえます。我々は健康診断で血液検査を行った際、様々な数値が記載された診断書を受け取り、そこに記載された数値をもとに身体の悪い部分を発見し、それを改書する方法を見出します。会社も同様、試算表・決算書をもとに会社の悪い部分(経営上の問題)を発見し.それをもとにその改善策を考えることができます。
しかし、もしその診断書の数値が正しいものでないとすれば、その診断書はただの数字の羅列に過ぎず、会社の診断書として何の役にも立ちません。この有用な診断書(「正しい試算表」・「正しい決算書」)を作成するためには「正しい経理処理」を行うことが大前提となります。
試算表・決算書による会社の健康診断(経営分析)は、様々な数値(例えば、総資本経常利益率や自己資本比率等)を指標として行われます。これらの「正しい決算書」から抽出されたそれらの数値は、会社の経営成績や財政状況を判断するのに有意義なものです。ただ、それ以外に決算書から抽出された数値をただみているだけでは、分からない経営上の問題点も存在する場合があります。
例えば、棚卸資産回転率(売上高÷棚卸資産)はその数値が高ければ棚卸資産が効率的に回転していると考えられます。しかし、決算書から見る棚卸資産回転率は会社の全ての棚卸資産を元に算出されるので、一見問題が無いように見えていても、実際に倉庫で在庫を見ると「効率良く回転している商品」と「全く回転していない商品」に極端に分かれており、「全く回転していない商品」についての改善策を早急に考えなければならなかった、という事もあり得ます。
他にも、自己資本比率(自己資本÷総資本)はその数値が高いほど、財政状態が強固であり良いとされています。しかし、この数値を高くしようとするあまり、借入金を無理して返済してしまえば、極端に現預金が少なくなり、会社の取引規模とアンバランスを起こしてしまい、財政基盤が強固になるどころか、弱体化を招いてしまいます。無借金経営の会社に関しても、自己資本比率は大変高く強固な財政状態に見えるにもかかわらず、取引規模とのバランス等をみると、現預金が極端に少なく、何か問題があれば、たちまち資金が回らなくなってしまうというリスクをはらんでいるということもあり得ます。
これらのような「決算書から抽出した数値からだけでは分からないリスクや問題点」は、毎月監査に伺い、現場をお見せいただき、経営者様とお話をさせていただくことで、初めて分かるものです。
我々はこれからも日頃の監査を通じて「正しい経理処理」のご指導、「正しい試算表・決算書」のご提供等をさせていただくことで、今後とも皆様の会社の闇題点の発見・改善、発展のお手伝いをさせていただきたいと考えております。
最後になりましたが、2011年が皆様にとって良い年になりますよう心からお祈り申し上げます。
平成23年1月1日
税理士 花谷 隆之