残暑厳し候ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。先日PHP研究所の大江宏氏の講演会を聴く機会があり、そこでの松下幸之助氏の明日への道を開くヒントとして幸之助氏が大切にしていた「素直な心」について紹介したいと思います。
松下幸之助氏は「素直な心」こそが、お互い人間として最も好ましい生き方をもたらすものと考えていたそうです。その素直な心とは、自分の欲望や感情、考えにとらわれることなく物事を見、考え判断し、行動できる心のあり方だということです。
自分の欲望や感情や考え方にとらわれることなく見るから、物事をあるがままに知ることができる。何物にもとらわれることなく考え、判断するから冷静に、何をすべきか、何をしてはならないかがわかる。つまり、常に適時適切な判断、行動がとれる、そういった心のあり方が素直な心とういのものだそうです。
この素直な心は、生きがいや働きがいをもたらすもので、それは人により様々ではあるが第一は自分に与えられた持ち味、能力、天分が存分に発揮され、生かされていると感じる時である。しかし、実際には特質なり持ち味を十二分に生かせていることはそれほど多くありません。お互い往々にして我執にとらわれ、自分の欲望にとらわれて他の道に心を奪われ、自分の適正に沿わない道へ進もうとして無理を重ね見栄や体裁にとらわれて、適性を無視し違う方向に無理やり行こうとするといった姿が見られるそうです。
素直な心になれば自分の持ち味や天分を見つけそれを発揮できるようになります。つまりとらわれた考えがなくなり、物事の実相がわかり「適確な認識」「正確な判断」が出来るようになります。すると判断を過たず、自分の向き不向きがよく分かり、自らの適性に従えるようになり、「素直な心」を養い高めていけば、それぞれが持つ適性や持ち味を十二分に発揮できる立場になり適所な仕事にたどり着くようになるそうです。
自分の天分に適った仕事につこうと努める一方で、部下がその適正、天分に合った仕事につけるよう意を用いていく。
素直な心になるとその人がどの仕事にふさわしいか、どんな特性なり資質を持っているかがわかるとともに、そのひとをその仕事につけてあげることが最も望ましいという考えにおのずとそうなっていくものだそうです。
社会全体に素直な心が広がっていけば、適材適所が社会のあらゆる面で実現して、お互い一人ひとりが大いなる喜びと生きがいをもって活動し、人生を送っていくことが可能になるそうです。
つまり社会全体として、すべての人がよりよく生かされた共存共栄の姿がもたらされてくることになるそうです。
「素直な心」とは松下幸之助にとって一大テーマであり、その本質や効用について、様々な考察をしてきたそうです。次回からその本質をいかに考えたかを紹介したいと思います。
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