金木犀の花の香りがする頃になり、仕事に余暇に活動しやすい季節になりました。

 経営資本とは「人、もの、金、情報」と言われています。私はこの中で特に重要なものは人であると思います。その人には従業員だけでなく経営者も含まれ人の数と質が企業の人的な企業価値を高めることであると考えます。

 企業経営は人材の占める割合が大きいことは言うまでもありませんが、その質を上げることに日々努めなければならないと感じます。特に中小企業では、社員教育と社長自身の自己研修が大事ではないでしょうか。社長自身が率先して研修に参加しその良いところを社内に広め、社員の考え方を変革させ社内意識の統一を図ることにより業務品質向上、売上増加、利益増大につながってゆくと思います。

 皆さんは自己の研修をどの様な手段でされているでしょうか。

 身近では新聞や雑誌で専門分野や経済経営の記事を読む、専門書等の本を読む、セミナーや研修会に参加する。また専門学校や大学院等で勉強研究する様々な方法があります。 私の場合は専門的な分野では税理士会やTKCでの税法及び会計研修、税理士新聞等の業界誌の定期購読、そして日本創造教育研究所が主催している「社長塾」を受講しています。

 「社長塾」は毎月1回6時間、京都市東山区にある霊山歴史館で行われています。全国から企業経営者の方が約120名参加され、講義の内容は第一講座が日本における論語の大家である伊與田 覺先生による「論語の講義」で毎回仮名論語の一章を音読しその内容を解説していただくもの、第二講座は毎回著名な実践経営者による講演、第三講座は田舞徳太郎氏の講義です。これまで受講した実践経営者はパナソニック褐ウ社長 谷井昭夫氏、横浜ベイスターズ元監督権藤博氏、東レ経営研究所特別顧問 佐々木常夫氏等です。

 私は今まで論語と言えば古い言葉で 「子曰く・・・」という文章で良いことを言っていることぐらいしか知識としてなかったのですが、論語の講義を受けてみて、その文章の中には道徳的なことや現在の経営に役立つことが沢山記載されています。1章を読んで大体の意味が分かる場合と、解説を受けてなるほどと感銘を受ける場合があり殆どの場合は後者です。

 今まで7回出席して一番心に残ったのは、論語の子路第十三にある一節「子曰わく、其の身正しければ、令せずして行われ、其の身ただしからざれば令すと雖も従わず。」です。意味は「上にあるものは、正しければ、命令しなくてもよく行われ、正しくなければどんなに厳しい命令を下しても、民はついてくるものではない。」です。私はこの文章で社長とは正しい経営をしなければ幾ら社員に命令しても業績向上につながるものではないと感じました。

 まだまだ読んでいない章が沢山ありますが人生に色々役立つものだと思いますので、今後もより一層論語を勉強し皆様のお役に立ちたいと感じるとともに論語の事をご紹介してゆければと感じております。


以上
代表社員税理士 福田 重実