新型コロナウイルス感染症が世界中に拡散し、世界経済に与える影響は計り知れません。
日本国内での感染者数は1,089名 うち死亡者数41名(2020年3月22日現在)、国外での感染者数は290,384名
うち死亡者数12,741名となり、日々その数は増加しています。
政府が感染拡大を抑制するための対策として、3月2日から小中高校が春休みまで一斉休校したため、
子供達の面倒を見なければならない母親の就業に支障が発生し、対策として営業時間を短縮するスーパー等が
有りました。
また、濃厚接触を防止するために、多数の人が集まる会合や宴会、スポーツの試合等、様々なイベントが延期や
中止となりました。
高校野球の甲子園大会の中止、プロ野球やJリーグの開幕延期に加え、ついに東京オリンピックの開幕延期も決定され、その経済に与える影響は計り知れないこととなりつつあります。
さらに、海外への渡航禁止や海外からの入国禁止の措置により、旅行やビジネス渡航が減少し、航空会社やホテル・
民泊・飲食業の売上が激減しています。欧米の感染者数が激増し海外の人の動きが止まり、世界全体の経済が急速に
悪化しています。
住宅業界では、中国からの部品供給が停止した為、部材の設置が出来ないので完成が先に延びることによる資金繰りの
悪化が目立っていました。
また、輸出産業では欧米への商談や契約が困難となっています。
このような経済状況となり、中小企業でも2月後半から徐々に影響が出始め、3月に入ってからは明らかに甚大な影響が出始めています。
恐らく4月からの企業の資金繰りに、相当なダメージがでると思われます。
その緊急対策として、政府は金融の緩和すなわち日本政策金融公庫や保証協会を通じたコロナ対策緊急融資の
受け付けを始めました。日本政策金融公庫のある支店に電話で確認すると、通常の3倍以上の来店数があり、営業時間を
延長し18時まで店舗を開けているそうです。
また、審査を迅速にするために、20時でも日本政策金融公庫から電話が入ったりして対応しています。
また、生命保険会社も節税商品の解約数が増加しているそうです。緊急な資金繰り対策の為、生命保険の契約者貸付の金利を9月末までは0%とする生命保険会社が増えています。
このように新型コロナウイルス感染症は、病気としての影響と感染者数拡大防止策として実施されている自粛や中止、渡航禁止等が経済に与える影響は、今までに経験したことの無い不況を招きかねないと思います。
企業を存続させるために、手元資金として最低固定費の3ヶ月分は確保をする必要があると思います。
不要な支出や在庫の圧縮、固定資産の現金化等により、手元資金の確保及び取引先の与信管理をしっかりし不測の事態
に備えたいものです。
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