先日、海上自衛隊舞鶴基地を見学する機会がありましたので、少し紹介したいと思います。
最近は朝鮮半島への緊迫化で、特に日本海での防衛の重要性が益々高まってきています。日本は、四方を海に囲まれた海洋国家で、世界第3位の長い海岸線と世界第6位の広大な排他的経済水域を持っているそうです。日本は海外から資源・食料に依存しその9割以上を海上交通に依存しているので、海洋の自由で安全な利用を守るため警戒監視等に海上自衛隊がその役割を担っています。
訪れた舞鶴基地は、日本海側の殆どを担当しているそうで、訪問した当日も直前まで緊急事態が起これば艦船見学ができないこともあると知らされていましたが、雨天であること以外は問題なく見学することができました。
当日は、基地で広報官の方に出迎えて頂き、明治に建設された建物で展示されている明治以降の海軍の資料等を見学し、次に港に移動し哨戒ヘリPSH-60J(主に潜水艦の哨戒)の離発着訓練と機体の見学をしました。離発着訓練は目の前の海上でなされているので、上空を飛んでいるのを見るのとは全く違った隊員の表情や音や匂いに触れ、その任務の大変さと重要性を感じました。その横の格納庫には、基地の消防車がありました。それは普段見る消防車とは違い、桁違いに大きな車で一般の道路では走れないそうで(高速道路の料金所は通ることはできない)初期消火するために水を入れるタンクも装備され、国産ではなくオーストリア製で一台2億円するそうです。
最後の見学は護衛艦「まつゆき」で、全長130m 幅13.6m 排水量3,050トン 速力30ノット(時速約50キロ) 乗員数約180名 昭和61年3月に就役した艦ですが、何処も手入れが行き届いていて30年以上経過した艦だとはとても思えませんでした。最初は艦内の食堂を見学しました。客船の食堂とは違い、全く窓が無く只食事をする場所でしたが「永谷園のお茶づけ海苔」が置いてあったのを見て、何かほっとした感じがしました。それから、動力制御をする室で、艦の動力のガスタービンの監視等をしていることの説明を受けました。意外と機材はアナログ式でした。
それから、最後に艦橋に案内されました。そこは艦の中枢で、艦の操舵を行い艦長や操舵する隊員がいるところです。艦長の席は赤と青の2色のシートカバーが掛けられて、見学者は席に着く事はできるのですが、艦長以外は絶対に座ることはできないそうです。また、双眼鏡も各人別に置かれていて、艦長のものは一目でわかるよう赤と青の印がついていました。艦橋内は艦の一番上であるため、見晴らしは良く、そこから港内の他の艦船を見ることができました。それから、艦が古いためか冷房設備が一般の家庭で使われているエアコンが付けられているのには驚かされました。
艦内では、隊員の方々が昼夜3交代で任務にあたられているそうです。一度出港されると何日も任務に就くそうで、海が荒れてもその任務がある限り遂行されるそうで頭が下がる思いです。自衛隊は災害救助だけでなく、本来自国の防衛のために日々我々の知らないところで訓練を重ね日本を守ってくれていることを改めて感じました。
このレターは毎月1回、事務所通信とともに関与先さんにお配りしています。
ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。