3月15日に、令和4年度の確定申告の業務を無事終了することができました。昨年より申告件数が20件程度増えた分、従業員が夜遅くまで作業してくれました。
今年の申告書でも、医療費控除は例年通り利用されていました。医療費控除では、納税者の方が医療費の領収書を個人毎、医療機関別に整理され、中にはエクセルシートで管理されている方も居られたので、我々も時間短縮することが出来ました。
また、ふるさと納税を利用されている方が半数くらいあったと思います。ふるさと納税では、例年確定申告書の控えにふるさと納税の限度額表を添付しています。所得額が前年度と同等であった方は、その情報を参考にして限度額まで納税されている方も居られました。それ以外の寄付は殆ど拝見することはありませんでしたので、返礼品を目的としたふるさと納税は今後も増加することになると思います。ふるさと納税先も返礼品の良いところが選択されているようで北海道や九州の市町村が多く、税額が都市部から返礼品の良い市町村に流れているのが分かります。
自社株の売買で納税される方の件数が例年より増えていました。これは自社株の株価が高くなり譲渡益が増えたためですが、一方で上場株式では譲渡損失が発生した方が多かったです。また昨年の急激な円安の影響でドルを売って為替差益を雑所得として申告された方もいらっしゃいました。
事業所得では、今年の10月からインボイス制度が施行されることになり、今まで課税売上が1千万円以下であった事業主の方も取引先からの問い合わせや同業他社との情報により、適格請求書発行事業者の登録を決められた方も少なくありませんでした。少なくとも次回の申告では、消費税の申告作業が増える事になります。また、今までの帳簿では対応できなくなりますので、取引先からの適格請求書を取得しインボイス番号を確認する為に、今まで以上に請求書等の保存が重要になります。
贈与では相続時精算課税が令和6年から改正されることになりましたので、今年は1件でしたが来年から増えていく可能性があります。住宅取得資金の贈与は例年と同じくらいありました。
ローン控除では、控除額がローン残高の1%から0.7%に引き下げられましたので控除額が下がりましたが、まだ住宅ローンの金利がそれ以下なのでローン控除の適用で得をされている方は多いです。ただ、ローン控除を活用された方は納税額が0円になることも在りますので、ふるさと納税をしてもその恩恵にならないことがありますのでご注意ください。
毎年自然災害が多発して甚大な被害が多いですが、幸い今年の申告で雑損控除はありませんでした。今年1月の積雪による災害や今後台風や豪雨で被害を受けた場合、雑損控除の適用を受けることができますので、領収書等は大切に保存しておいてください。雑損(損害額から保険金を控除した額)とは、震災・風水害・落雷・雪害の自然現象や火災・爆発などの災害、害虫(シロアリ)や害獣による被害や盗難や横領による被害で、生活に通常必要とされる住宅や家具・衣類・現金に関するものが対象となります。雑損控除は雑損が総所得金額等の1割以上か災害関連費用が5万円以上のいずれか多い金額を控除とすることが可能で、損失が控除しきれないときは3年間繰越して控除することができます。雑損の可能性がある時は担当者までご相談下さい。
次の申告に向け資料は大切に保管するようにお願いします。
このレターは毎月1回、事務所通信とともに関与先さんにお配りしています。
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