『暑さ寒さも彼岸まで』といいますが、最近は暖冬のせいか、お彼岸の前でも結構暖かくなってきているような気がします。お彼岸の中日に食べる「おはぎ」や「ぼたもち」について、その違いを紹介したいと思います。
1 季節の違い
「おはぎ」という名前の由来は、『萩の餅』という女房詞より、小豆の粒が「萩」の花の咲き乱れる様に似ていることから「萩の餅」と呼ばれ、後に「おはぎ」になり、秋のお彼岸に供えられています。そして、「ぼたもち」という名前の由来は、春に咲く花「牡丹」の花に似ていることから「牡丹餅」と呼ばれ、後に「ぼたもち」になり、春のお彼岸に供えられています。
基本的に、「おはぎ」と「ぼたもち」に違いはないそうですが、花の季節に合わせて春から夏にかけて作るものを「ぼたもち」と呼び、秋に作るものを「おはぎ」と呼ぶそうです。
2 形の違い
萩の花をイメージして小さく上品に作ったものを「おはぎ」と呼び、牡丹の花をイメージしてボタッとした感じに大きめに作ったものを「ぼたもち」と呼ぶそうです。
3 作り方の違い
「おはぎ」は、蒸した餅米の粒を残す程度にこね、それをつぶ餡で包んだものです。そして、「ぼたもち」は、蒸した餅米をつき上げて(餅にして)、こし餡で包んだものです。
また、材料である小豆は、夏から秋に収穫されるので、秋は小豆が新鮮で皮が柔らかいため、つぶ餡で「おはぎ」が作られ、春は越冬した小豆の皮が固くなるため、こし餡で「ぼたもち」が作られたともいわれています。
最近では、その説が乱れてしまっているうえ、一年中売られているので、スマートな言い方が好きな人(お菓子屋さん)は、春のお彼岸にも「おはぎ」と呼んだり、「おはぎの○○」や「○○のおはぎ」といった店名を見かけることもありますね。
「おはぎ」と「ぼたもち」の名前のルーツを関与先の社長から教えて頂き、物の名前にはいろいろなルーツがあることを再認識し、普段何気なく使っている言葉にもそれぞれ意味があり面白いと思いましたので、紹介させていただきました。
このレターは毎月1回、事務所通信とともに関与先さんにお配りしています。
ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。