「人生100年時代」と言われ、将来の年金に不安をお持ちの方も多いと思います。先月号でiDeCo・NISA等が税制でも優遇されていると紹介しました。
今回は小規模企業共済を紹介したいと思います。
・国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業(製造業等20名、卸小売業等5名以下)の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です
。 ・小規模企業共済はiDeCo、NISAの様に投資ではありませんので利回りはそれらより下回りますが、中途解約(一定期間内の解約は元本割れの可能性があります。)や中途増減額が可能です。
・年払いも可能なので12月末までに加入すれば所得税と住民税の節税になります。
・加入年齢も制限がありませんので60歳以上の方も加入可能です。
・小規模企業共済の隠れたメリットは公的年金等と同様に差押禁止債権として取り扱われることです。つまり事業等に失敗した時に守られる財産だということです。過去に事業を整理された方が、差押禁止債権として守られたので大変喜んでおられました。
小規模企業共済は節税対策と差押禁止債権の面からも優れたものだと思います。
●小規模企業共済・iDeCo・つみたてNISAの比較表
小規模企業共済 | iDeCo | つみたてNISA | |
管轄・運営元 | 中小機構 | 国民年金基金連合会 | 金融庁・各金融機関 |
加入資格 | ・個人事業主 ・小規模企業の経営者・役員 | 国民年金の 第1.2.3号被保険者 | 日本に居住している 20歳以上の方 |
途中解約・脱退 | 可 | 原則不可 | 可 |
運用方法 | 運営機関が運用 | 加入者が運用 (運用商品の選択) | 加入者が運用 (運用商品の選択) |
掛金 (保険料・積立金額) | 月額1000円〜7万円 | 月額5000円〜6万8000円※ (第1号被保険者の場合) | 年間40万円が上限 |
掛金の所得控除 | あり (小規模企業共済等掛金控除) | あり (小規模企業共済等掛金控除) | なし |
分配金・運用益に かかる税金 | - | 非課税 | 非課税 |
貸付制度 | あり | なし | なし |
資金の受け取り方法 | ・一括受取り ・分割受取り ・一括・分割受取りの併用 | ・一時金受取り ・年金受取り ・一時金・年金受取りの併用 | 運用商品の売却(解約)により いつでも引き出し可能 |
受取時にかかる税金 | 所得税・住民税 (退職所得控除または公的 年金等控除の対象) | 所得税・住民税 (退職所得控除または公的 年金等控除の対象) | 非課税 |
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