「知行合一」とは、中国の明のときに王陽明がおこした学問である陽明学の命題のひとつで、論語の為政第二にある「先ず其の言を行い、而して後にこれに従う」が元になっています。
王陽明は、「知って行わないのは、未だ知らないことと同じである」ことを主張し、実践重視の教えを主張しました。
先日、ある研修で「鎌を研ぐ時間への投資」と題して、以下のような話しがありました。
1日目、若い木こりは10本の木を切り倒した。鎌は鋭く、彼は力持ちで元気だった。2日目、彼はまた一生懸命働いた。実は彼は1日目より働いたのだが、切り倒せた木は8本だった。次の日はもっと早くから始めようと思って、その日は早く切り上げ、翌日はぎりぎり一杯働いた。しかし、7本切り倒すのがやっとだった。次の日、切り倒せたのは5本だった。5日目にはたったの3本になってしまった。しかも、日暮れまで働いて疲労困ぱいに達していた。次の日も早朝も、気が狂わんばかりに働く彼に、通りがかった老人が言った。「いったん手を休めて鎌を研いだらどうかね?」しかし木こりは「駄目だ。木を切るので手が一杯だよ!」と答えた。
実は、私達もこの「木こり」と同じことをやっているのではないか、やっていることに夢中になって、その仕事を容易に、迅速にするための手段を取らないのだ。
経営者は、売上を上げるため、資金繰りを楽にしようと日々一生懸命目の前の仕事をしていることが多いと思います。しかし、お客様に満足を頂いているだろうか。感謝をしていただいているだろうか。なぜ成長していないのか。なぜ発展しないのか。テクニック優先でものを考えていないか。先入観を持っていないか。自ら限界を設けていないか。このようなことも常に思って経営されていることでしょう。
現状の経済環境を分析することが大事であると考えます。円高、デフレ、電力不足というマイナスの面と、団塊世代の老齢化に伴うシルバー市場の増加、省エネ商品の需要増加、震災に伴う復興需要の増加がプラス面であると考えます。特に復興需要については2011年と2012年の予算規模で11兆円超の予算が支出されます。 これらの経済環境に基づき我々の事業にどのような影響があるか、またその需要にどのようにすれば応えられるかを考える必要があると考えます。そしてその考えをどの様にして企業経営の中で実行してゆくかを考えるのが経営者の手腕ではないかと思います。
勇気をもって行動すれば必ず道は開けてくるという信念を持ち、また周りの情報や助言にも耳を傾けて現状を踏まえ企業経営をしてゆくことが今大事なことだと感じます。
「知行合一」いい言葉ですね。
代表社員 福田重実