今年の6月に生産森林組合の理事に就任しました。仕事上、森林組合は相続税の立木の評価をする際に証明書を発行するので、どの様にして管理しているのかを知りたいと思っていました。しかし、就任後に理事会での話を聴いていると「間伐材の伐採」「林道の草刈り」「組合の所有する山林がどこにある」というような話ばかりでした。『何かおかしい!』組合長に「相続の山林の評価証明は発行しなのか」と聞くと「手間がかかるので民有山林の評価はしていない」とのことです。
生産森林組合は、森林組合法に基づき設立された、組合員(生産森林組合の地区内にある森林又はその森林についての権利を生産森林組合に現物出資する個人、生産森林組合の地区内に住所を有する個人で林業を行うもの又はこれに従事するもの)の出資と労働により森林の共同経営を行う協同組合です。つまり、狭い地域で森林を共同経営するもので森林の育成や伐採をすることを目的としている組織です。
生産森林組合の数は令和2年度には2,693組合で、その後42組合が解散し年々減少しています。
そのうち33組合が認可地縁団体※に組織変更しています。
※認可地縁団体は、町又は字の区域等に住所を有する者により構成され、良好な地域社会の維持及び形成に資する活動を行うもの。
森林組合は、森林所有者が互いに協同して林業の発展をめざす協同組合です。
森林組合も「森林組合法」に基づいて設立されており、組合員の経済的社会的地位の向上を図ることと森林の保続培養、森林生産力の増進を図ることを通じて、国民経済の発展に貢献することを目的としています。
つまり、森林組合は、森林所有者自らの相互扶助の組織であるとともに、森林造成を通じて、木材供給のほか国土保全、水資源涵養、環境保全、文化・教育・レクリエーションの場の提供など、森林を通じた人間の生活環境の保全にとって、重要な役割を持つものとして位置づけられています。
そして、生産森林組合は地区内の者の出資と労働により森林の共同経営を行うものであり、森林組合は民有林における森林資源の開発等を進めるため、森林所有者が森林施業等の事業を行う団体組織として創設されたもので市町村・郡段階の森林組合と都道府県段階の森林組合、そして全国段階の全国森林組合連合会の3段階の組織を構成しています。全国の森林組合は607組合で生産森林組合の数が多いですね。
木材需要と価格及び林業従事者数の減少は年々進んでいますが、山林は水の供給と酸素を供給する役割があり保全していく必要があります。国も間伐に補助金を出したりして山林の保護をしているようです。
私もお盆休み中に生産森林組合の労務作業として、金剛山麓の山道の草刈り作業に参加し山林育成のために貢献しました。猛暑ですが山林作業は日陰が多いので幾分涼しく作業が出来ました。
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