平成26年4月1日から改正消費税法が施行される予定です。但し経済状況により執行停止する景気条項(経済成長率で名目3%、実質2%)が盛り込まれています。安倍内閣は景気条項について発表していないので増税時期は確定していません。しかし、施行時期は先送りになるかも知れませんが何れは増税されますので実務対応についてご紹介します。
今回の改正は、平成26年4月1日に税率8%、1年6か月後平成27年10月1日に税率10%に2段階で変更されることになります。但し一定の取引については施行日以後も旧税率が適用できる経過措置が設けられています。主な経過措置は「施行日(26年4月1日)をまたぐ取引に適用されるもの」と「指定日前(平成25年9月30日)に契約等が必要なもの」に分類できます。
1.施行日をまたぐ取引の具体例
旅客運賃等で施行日前に支払が完了し実際に利用するのが施行日後になる場合は旧税率が適用されます。具体的には、通勤定期や回数券、新幹線のチケット予約など。電気料金等(電気、ガス、水道)で施行日前から継続的に供給されるものは施行日から平成26年4月30日までの間に料金が確定したものにつては旧税率が適用されます。
2.指定日前に契約が必要な取引
I.工事又は製造の請負等については、平成25年9月30日までの間に締結した工事又は製造の請負に係る契約に基づき、平成26年4月1日以後にその契約に工事又は製造物が完成し引渡しをしたものにつてはこの経過措置の対象となり旧税率が適用されます。
II.資産の貸付(リース契約や不動産賃貸等)については、平成25年9月30日までの間に締結した契約に基づき平成26年4月1日前から引き続き行われている資産の貸付で一定の要件に該当するものが経過措置の対象となり旧税率が適用されます。
上記一定の要件とは、
@貸付の期間と対価の額が定められていること
A事業者が対価の額の変更を求めることができないこと
B契約期間中にいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないこと
注意点としては一般的な不動産契約では「賃料が経済事情の変動、公租公課の増額、近隣の物件の賃料と比較して著しく不相当となったときには、協議のうえ賃料を改定することができる」といった旨の規定があります。このような場合には上記Aの対価の額の変更を求めないことに該当しないため、経過措置を適用できないことになります。
以上のような経過措置の他、増税後の値引きや総額表示等の実務対応を次回以降もご紹介したいと思います。
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