代表社員 福田重実

        中小企業強靭化法成立、
      事業性評価を踏まえた支援の在り方

           金融機関の事業性評価を踏まえた中小企業に対する経営指導とは
2019年10月10日
於:大阪経済大学

外部での取り組みの一環で、大阪経済大学で開催されたセミナーに当事務所
代表社員の福田重実がパネラーとして参加致しました。


事業性評価への関わりは?
 毎月関与先に定期訪問するため、関与先企業の状況が把握できます。
決算書の信頼性は我々が保証しないと、定量性評価の判断材料がなくなってしまいます。
そこを保証する資料として中小会計要領チェックリスト、税理士法33条2項の添付書面も提供させていただいております。
認定支援機関にもなっておりますので、経営改善計画支援にも携わっています。中小、零細企業も多い中でいかに支援していくかを念頭に日々勤しんでいます。

中小企業に一番信頼されているのは税理士だと思います。どのような経理指導を企業にしているのでしょうか?
 我々税理士は定期訪問する第一命題は決算書の作成、延いては申告書の作成です。信頼性の高い決算書の作成のために、まずは正しい数字に経営者とあわせていきます。そして会社の健全な経営を支援していく中で、損益分岐点売上高の話をします。関与先の情報はたくさん持っていますので、情報の非対称性を解消する一役も担っていると感じています。

これまで経営改善計画を作成した中で、企業の問題点を踏まえた計画と改善点について教えてください。
 銀行に借入が多い企業でした。家具の受託製造会社なので納期が短い、利益が少ない、毎月の売上に波があるとことが課題でした。利益率を中心に考え、金融機関に計画書をお持ちいただき返済金額を増やすようにしました。加えて、家賃が高かったので自社ビルを購入いただきました。家賃と同額くらいの返済額にすることで負担は感じられず、加えて社屋がきれいになり社員のモチベーションが上がり生産性向上に繋がりました。新入社員の採用も応募が増え、様々な効果が見られます。今後は無借金経営に向けて頑張っていただきたいと思います。

経営計画策定は誰のため?
 企業目標を内部関係者と外部利害関係者に開示するためである。

事業性評価への取り組みについて
大阪シティ信用金庫
☆『事業性評価シート』の制定
 財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、取引先の強み・弱み、事業内容・課題を明らかにし、成長可能性などを適切に評価(=事業性評価)、融資や各種機能・サービスを提供、企業の成長を支援していく。
☆『事業承継支援センター』の創設
 後継者問題に不安を抱える地域の事業主の皆さまへの迅速かつ多様な事業承継支援を通じ、地域の課題解決を行い、地域の発展に資することを目的とした事業承継の専門部署。 

大阪信用金庫
★ローカルベンチマークの活用
 財務6項目について経営者と議論を行い、それぞれの指標に課題があれば対話の中で詳細に掘り下げる。その中で仮説を持ちながら非財務情報を収集し、実態把握を実施。
★ローカルベンチマークを活用した融資商品
1.事業性評価融資「創生」
2.大阪府制度融資「事業性評価対応融資」
3.大阪信用保証協会「事業性評価融資保証」
★ファンド
1.だいしん創業支援ファンド“この町のホームドクター
2.おおさか社会課題解決ファンド
3.おおさか事業承継・創業支援ファンド