秋の夜長を皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は毎晩寝床での読書が睡眠薬替わりになっています。
今回は、数年前に論語の研修を受けたときの一番印象に残っている論語の一句を紹介したいと思います。
論語とは古代中国「四書(論語、孟子、大学、中庸)」のひとつで、孔子とその弟子たちの言行を収録したものです。古い道徳主義のイメージをもつ方も多いと思いますが、人間として守るべきまた行うべき、至極当たり前のことが簡素な言葉で記されています。
「子曰く、其の身正しければ、令せずして行われ、其の身正しからざれば令すと雖も従わず。」子路第十三
経営者として上に立つ者とはどうあるべきかといつも考えていた私がこの一文を読んでこれだと思いました。リーダーは、顧客や社員のことを大切にしなければならないと感じ自分自身が努力し社員の見本になろうと思っていました。そのことが論語の中に記されていることが分かり感動しました。研修で講師の先生が、欲には善玉の欲と悪玉の欲がある。欲を少なくすれば明徳が明らかになり、知識や技術が増えれば良いと教えていただきました。また、会社を大きくすることだけではダメ、社長の人物を磨くことが大切であるとも教えていただきました。
経営者は企業を経営してゆく上で、従業員の力をいかに発揮できる環境を作ることが大切だと思います。そのために経営者が従業員から尊敬される人物にならなければならないと考え、上からの目線ではなく従業員の目線で経営者としての行動することが大切だと思います。
また、お金の使い方にも注意し、特に交際費に該当するものは、その理由があるものだけを清算し、経理担当者や税務当局に社長不審を持たれないようにしなければならないと思います。社内の意思疎通のため、朝礼の慣例化や、定期的な研修などを開き、経営者の知識や経験をできるだけ社員に伝え、社員が相談しやすい環境を作るために日々従業員に質問したり声をかけたりして情報の共有化も大切だと思います。
こうしたことにより社内の環境が変化し社員が生き生きと仕事をし、明るく笑い声が聞こえる職場になれば、作業効率が向上したり良いアイディアが浮かんだりして業績が好転するのではないかと思います。
私は前述の論語の一句から上に立つ者は倫理を尽くし言葉を慎みその身を正しくしていれば、命令してなくても従業員自らが行動してゆくものであり、自分の行動は皆が見ていますので自分の評価は従業員の行動に現れると思います。このことは、会社を成長させるためには経営者自身が自分をより磨き、それにより従業員に良い影響を及ぼす行動をしてゆけば、社内環境が変化し経営者が思う様な会社に変化してゆくものではないかと思います。
論語を読んで、その一句や言葉には気づくことが沢山あり、その解釈も奥が深いものだと感じ、今後も論語を読み直しその意味を噛みしめながら人生の参考書としてゆきたいと思います。
皆さんも秋の夜長に良い本を一冊読破されてはいかがでしょうか。
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