黒松 美恵子

 今年の当社の社員旅行は、「昨年のキャンプのリベンジを!」という望月の思いにより、昨年に引き続きアウトドアな社員旅行となり、今年はひるがの高原の貸別荘にて2泊過ごしました。

 ひるがの高原は岐阜県郡上市高鷲町にある高原で、キャンプ場やスキー場で有名です。標高875mのひるがの高原の南西端には『分水嶺公園』があります。大日ヶ岳から流れ出した小川がここで二つに分かれ、一方は長良川から太平洋へ、もう一方は白川郷を経て富山湾へ注ぐ庄川へとつながっています。
 分水嶺公園の林の奥には、ベーコン小舎(ごや)『グリュン』があります。ハム作りに50年関わってきたご主人が『Simple is Best』を掲げて、2011年暮れに人生の再スタートを切りました。
 

ベーコン小舎では、アンデスの紅塩と微量の発色剤以外は何も加えず、長期熟成させた原料肉をサクラのチップでじっくりと燻煙しています。グリュンの製品は極力添加物を加えないようにし、食肉加工品には必須と言われている発色剤(亜硝酸ナトリウム・硝酸カリウム)さえも無添加にとのご希望にこたえて、塩だけロースハム・塩だけベーコンも製造されています。ハム屋の原点に返り、本物のハムを目指して細々と始めたのがこの事業だそうです。それは長年、大手企業で見栄えは良いが添加物が入っている製品を商品開発してきた事への『罪滅ぼし』だとおっしゃっていました。

グリュンはドイツ語の『緑』、高原の緑と安心・安全のシンボルカラーです。ご主人の思いのこもったベーコンは味わい深く、とても美味しかったです。

 また、近くには『たかすファーマーズ』があり、こだわりの乳製品を製造されています。
 飛騨地方の名産品として、飛騨牛・朴葉みそなど有名なものをはじめ、けいちゃん・あげづけ・漬物ステーキなど、初めて食べるものもあり、みんなで料理をして、どれもとてもおいしくいただきました。











 翌日の午前中は、冬はスキー場となる『ひるがのピクニックガーデン』でディスクゴルフをしました。ディスクゴルフとは、ゴルフボールの代わりにフライングディスクを使用し、バスケット型の専用ゴールに、何投で投げ入れることが出来るかを競うスポーツです。アメリカで生まれたこのディスクゴルフは、欧米を中心に世界27カ国でプレーされているそうです。
 老若男女が手軽に出来るスポーツですが、下手な私は右へ左へ林の中にまで飛ばしてしまいました。スキー場の傾斜をゆっくりと移動しながらホールを回るだけで良い運動になり、とても楽しかったです。

 午後からは、『白川郷(しらかわごう)』へ観光に行きました。岐阜県内の庄川流域の呼称ですが、今日では白川村のみを指すことが多く、白川郷の荻町地区は合掌造りの集落で知られています。独特の景観をなす集落が評価され、1976年に重要伝統的建造物群保存地区として選定され、1995年には五箇山(相倉地区、菅沼地区)と共に白川郷・五箇山の合掌造り集落として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。白川郷の萩町地区は、今も実生活の場として使われているところに価値があり、それが他地域の合掌民家集落と違うところだそうです。毎年1月と2月頃の週末には夜間ライトアップが行われますが、2019年からライトアップ見学は完全予約制となったそうです。
 白川郷に入るには、少し白く美しい流れの庄川を渡ります。昔のままの生活が息づく集落は、自然の植物・水・空…全てが融合し、素晴らしい景観でした。その中の一軒『和田家』は国指定重要文化財で、築後約300年が経過した今も生活が営まれ続けている白川郷の代表的茅葺き合掌造り住宅です。実生活をしながらも1階の一部と2階が公開され、和田家代々で使用された遺物や民具が展示されています。主屋に加え、土蔵や便所を含めて文化財に指定されており、現在、和田家は、古文書や鑑札などの遺物の記録から番所の役人を勤めながら、煙硝(火薬)や生糸の取り扱いを行っていたことがわかっています。

伝統を守り昔ながらの生活を続け、未来へと継承していくことの大切さを感じ、この豊かな自然を守るためにも、私たちも努力していかなければならないですね。