平成26年4月1日以後に開始する事業年度において、交際費の取り扱いが変わりましたので説明します。
従来、交際費の取り扱いは年600万円×9割が損金算入限度額とされていました。
今回改正では 
@年800万円
A接待飲食費の50%相当額
のいずれかを選択適用することができることになりました。
具体的には、交際費が800万円の法人であればその全額を損金算入にすることができます。
接待飲食費が2,000万円の場合 

@800万円
A2,000万円×1/2=1,000万円
B@<A 1,000万円が法人税の損金算入限度額となります。

接待飲食費の取り扱い
租税特別措置法61の4第4項の規定において、交際費等のうち飲食等に要する費用で、少額飲食費(一人あたり5千円以下)および社内接待飲食費以外の費用とされています。つまり接待飲食費は取引先、仕入先等社外の者に対する接待等の際の飲食費用などの接待のために飲食等により費用されるものが対象となります。
通達では以下のような費用も接待飲食費に該当するとしています。

@接待飲食の際に供与した店で販売されている飲食物のお土産代やテーブルチャージ料、サービス料等 他の店で購入するお土産代や送迎費用はその他の交際費になります。
A得意先等を売上割戻しの基準により、一定の基準に達した者を飲食会に招待した場合の飲食費
B創立記念日、新社屋完成等に当たって取引先等をパーティーに招待する場合の宴会費
C特約店等となるため又はするための運動費等の飲食費
D建設業者等やスーパーマーケット等が高層ビルの建設や商店街進出に当たり、周辺住民又は商店街の同意を得るために行う酒食の提供費用
E取引先、仕入先等の業務遂行や行事の開催に際して、その従業員等によって飲食される弁当等の差入れに要する費用
(注)中元・歳暮の際の飲食物の贈答は、接待飲食費に該当せずその他の交際費に該当します。

少額飲食費の取り扱い
@少額飲食費の範囲
接待交際費のうち、飲食その他これに類する行為(飲食)のための費用で、その参加者一人当たりの金額が5千円以下のものについては、交際費の額に含める必要はありません。上記取り扱いは原則として、飲食した店ごとに計算します。
(注)社内接待飲食費(専らその法人の役員、従業員等又はこれらの親族に対する接待等のための飲食費)は、少額飲食費の適用はなくその他の交際費に該当します。
タクシー代等の送迎費用やゴルフ接待における飲食費等は少額飲食費に該当しません。

A少額飲食費の適用要件
次の事項を記載した書類を保存する必要があります。
イ:飲食等があった年月日
ロ:飲食等に参加した取引先等の者の氏名又は名称及び関係
ハ:参加人数
ニ:金額並びにその飲食店等の名称及び所在地
ホ:その他参考となるべき事項
注)その領収書等に上記事項を記載し、仕分けの適用に入力しておくのが良いと思います。

社内接待飲食費の取扱い
専ら役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものをいいます。社内接待飲食費は少額飲食費の5千円基準及び接待飲食費の50%基準の適用外となり通常の交際費として取扱います。
中小企業では親族が役員や従業員として働いている場合が多いので福利厚生費や会議費に該当しない場合がありますので注意が必要です。

給与となる飲食費
従業員等に対して支給するもので以下のものは給与の性質であるので交際費等ではなく給与として源泉対象となります。

イ:常時給与される昼食等の費用 (従業員等が昼食費の半分以上を負担し且つ一ヶ月当たり3,500円(税抜き)以下であることは給与として課税されません。)
ロ:交際費、旅費等で支出したもののうち、その法人の業務のためし使用したことが明らかでないもの
ハ:高額な慰安旅行の費用

このように交際費については限度額が変更されましたが、その支出の内容や支出する者によって取扱いが異なる場合がありますのでその内容を確認する必要があると思います。
ご不明な点は監査担当者又は事務所にご相談ください。