代表社員 福田 重実

 今年もあと僅かになりました。確定申告をしなければならない方は、これから、決算・申告の準備をしなければなりません。これの事前対策について紹介したいと思います。

所得税は1月〜12月までの所得に対して課税されますので、今年中にできることを紹介します。
事業所得・不動産所得
 @年末に棚卸を行う。不良品や死在庫は廃棄処分しておきましょう。
 A未回収の売掛金は整理する。長期滞留に売掛金は、値引き処理をしておく。
 B不要な減価償却資産の整理。未利用の資産は廃棄しておきます。
 C少額減価償却の購入(30円未満)青色申告されている方が対象になります。
   10万円以上20万円未満の一括償却資産は青色・白色申告の方も適用できます。
 D倒産防止共済の加入や増額。最高200万円まで年払いできます。
 E経費の年払い 火災保険や家賃。
 F事業専従者等賞与の支払(事業専従者は事前の届出の範囲内)。
 G修繕費等は年内にしておく。

今年は特に注意しておくべき点
今年、地震や台風で居住用財産の被害を受けられた方は、雑損控除を受けられます。また不動産所得や事業用資産の資産について被災された方は、その所得から損失を計上することが出来ます。但し、火災保険から保険金の支払が有る場合は、それを控除した残額が対象となります。また、シロアリや盗難による損失も雑損控除の対象となります。
 
ふるさと納税をされる方は、年内に振込を完了しておいてください。申込日ではなく支払った日になります。自治体によっては12月20日までに締切になっていることもあります。
また、寄附金(国、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人等)をされた方も控除の対象となりますが、証明書が必要です。

医療費控除
平成30年1月1日から12月31日までに支払ったもの(未払いのものは来年になります)で自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。
控除できる金額は、支払った医療費から生命保険及び健康保険から補填されたものを除いた金額。10万円以上であること。但し所得が200万円以下の方は所得の5%の金額以上であること。
医療費は、病院等に支払った医療費及び薬局等で購入した治療目的の薬、出産費用の保険等で補てんされた金額を控除したもの。

 
生命保険料控除 
納税者が年内に支払った生命保険料・介護医療保険料及び個人年金保険料は、一定の金額の所得控除を受けることができます。年内に契約し保険料を支払ったものが対象になります。

損害保険料控除
納税者が年内に支払った長期損害保険及び地震保険が対象になります。

小規模企業共済
納税者が年内に支払った小規模企業共済の掛け金の全額が控除対象となり、年払いで最高84万円が対象となります。詳しくは担当者にお尋ねください。最終の締め切りは12月25日です。

確定拠出型年金
納税者が年内に支払った確定拠出型年金が対象となります。

社会保険料控除
納税者が年内に支払った健康保険・介護保険が対象となります。未払いは対象となりません。
また、年内に支払った国民年金が対象となります。未払は対象となりませんが、過年度分を当年に支払った場合は、控除の対象となります。

上記、控除の対象となるものは、証明書等の添付が必要となります。

扶養できる者の確認
年間所得が38万円未満の方で6親等内の血族及び3親等内の姻族で、他の誰にも扶養されて
いない方を扶養控除とすることが出来ます。控除する方のマイナンバーが必要となります。
親を扶養する場合、遺族年金は非課税ですので老齢年金等の所得により判定します。

年末まで後1月ですが、まだまだ確定申告に対する対策が出来ると思いますので、詳しくは担当者にお気軽にお尋ねください。