事業者が作成・受領する国税に関する帳簿(仕訳帳など)や書類(決算書類や領収書・請求書など)については、法人税法等の規定により法定保存期間にわたり紙で保存することが義務付けられていますが、平成10年7月に国税関係帳簿書類の保存方法等の特例法として「電子帳簿保存法」が施行され、事前に所轄税務署長等の承認を受ければ、企業等が作成した仕訳帳や決算書類などのデータを、一定の要件の下、データにより保存することが可能になりました。当事務所では電子帳簿保存法に基づきTKCの自計化FXシリーズをご利用の関与先様に対しては、所轄税務署に届け出をし、総勘定元帳等をCDで保存させて頂いています。
平成28年度改正では、以下のように簡素化し領収書等を電子で保存できる様になりました。
(1)スキャナ装置について、原稿台と一体となったものに限定する要件を廃止
これにより、デジタルカメラやスマートフォン等による撮影が可能になります。
(2)国税関係書類の受領後、受領者が当該書類に署名を行った上で、3日以内にタイムスタンプを付与
(3)適正事務処理要件のうち、相互けん制要件及び定期検査要件の緩和
@相互けん制要件については、国税関係書類の受領者以外の者が記録事項の確認
(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行うことで足ります。
A定期検査要件については、定期検査が完了するまで必要とされている国税関係書類の原本保存を、本店以外の各支店・
事業所等でも行うことができます。
B小規模企業者(常時使用する従業員数が5人以下(製造業等であれば20人以下)の小規模企業者)の場合、定期検査を
顧問税理士等に依頼すれば、相互けん制要件を不要とすることができます。
前述のとおり、平成28年度改正では、領収書等の国税関係書類をスマホやデジカメで電子化できるようになるというのが大きなポイントです。これにより、たとえば領収書を受け取った社員は、外出先や移動中でも領収書を電子化することができるようになり、経費精算事務は大幅に効率化すると考えられます。
また、平成27年度改正における「適正事務処理要件」に掲げられている「相互けん制要件」及び「定期検査要件」を満たすためには最低でも3名の人員が必要でした。たとえば、1人で事業を営む者が国税関係書類を受領する場合、領収書をスキャナで読み取り、紙の原本書類と同等であることを確認した後にタイムスタンプを付与するまでの事務を「外部の者」に委託し、定期検査については「顧問税理士」に依頼するなどの措置が必要でした。
これに対して、平成28年度改正では、小規模企業者の場合、定期検査を顧問税理士等に依頼すれば「相互けん制要件」を不要とすることができるため、たとえば1人で事業を営む者が確認してタイムスタンプを付与し、定期的な検査のみを「顧問税理士」に依頼すればよく、「適正事務処理要件」を満たすための人員は事業主と顧問税理士等の2名だけで足りることになります。
※「平成28年度 経済産業省 税制改正について」(平成27年12月)より
平成29年から領収書等のいわゆる証憑書類を紙で保存しなくても良くなります!
当事務所では、TKC証憑ストレージサービス(TDS)を利用しTKCのデータセンターにデータを送信・保管し、証憑のスキャン時にOCR機能で証憑の取引先名や取引金額等をデータ化して読み取り、そのデータを基にFXシリーズで仕訳を計上することになります。請求書等の保存でお困りの方は一度検討してはいかがですか?
@スキャナ・スマホで領収書・請求書をスキャンし電子保存
A申請受付開始:平成28年9月30日 運用開始:平成29年1月1日〜
B申請期限 :スキャナ保存を開始する3か月前の日までに所轄税務署に提出
詳しくは担当者にご相談下さい。