代表社員 福田 重実

 確定申告の時期となりました今回は、一時所得についてご紹介したいと思います。
所得税は10種類の所得に区分されます。通常は、事業所得・給与所得・不動産所得・譲渡所得・雑所得(年金収入等)そして今回紹介する5種類の一時所得です。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

⑴懸賞や福引の賞金品(業務に関して受け取るものを除きます)
 「住まい給付金」「住まいの復興給付金」
  但し、確定申告に「国庫補助金等の総収入等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付することにより、
  一時所得に含めないことができます。

⑵競馬や競輪の払戻金

⑶生命保険の一時金(業務に関して受け取るものを除きます)や損害保険の満期返戻金等
受け取った生命保険金から支払った生命保険料の累計額を控除したものが一時所得となります。
保険料負担者に注意
・保険料負担者と保険金受取人が同じであれば一時所得
・保険料負担者と保険金受取人が異なる場合は贈与税の対象になります。
 この場合、受取保険金の全額が贈与税の対象になります。

死亡保険金
病気や事故の死亡により取得する保険金
@保険金受取人=保険料負担者で保険金を受取った者
 保険金受取人は所得税の対象となります。
A被保険者=保険料負担者で保険金受取人が異なる場合
 死亡保険金は相続税の対象となります。
B被保険者・保険料負担者・保険金受取人が異なる場合
 保険金受取人が保険料負担者から贈与により保険金を取得したものとなり、贈与税の対象となりす。
 保険金を年金で取得する場合は、雑所得になります。

生命保険等の入院給付金等
個人が生命保険から受け取る入院給付金・手術給付金・通院給付金・介護保険金等病気やケガで受け取る給付金は、一時所得ではなく非課税所得です。
但し、医療費控除をする場合は、支払った医療費からは入院給付金等は控除します

⑷法人からの贈与された金品(業務に関して受け取るもの、継続的に受け取るものは除きます。)

⑸遺失物取得者や埋蔵物発見者の受け取る報労金等


一時所得の計算方法
総収入金額—収入を得るために支出した金額(注)− 特別控除(50万円)= 一時所得
(注)その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い、直接に要した金額に限ります。
   具体的には、競馬等の払戻金についてはその払戻金を得るために購入した馬券が該当します。

税額の計算方法
一時所得は、上記所得の1/2に相当する金額を他の所得と合計して計算することになります。

所得税は、暦年単位で一年間に取得した金額からその所得を得るために支出した金額が50万円以上であれば一時所得となり、さらに50万円控除後の金額の1/2が課税対象となりますので他の所得より有利ですね。
生命保険金の満期や解約は年を分散すると有利です。

詳しくは担当者にご質問ください。