グランピングとは、「グラマラス(Glamorous)」と「キャンピング(Camping)」を掛け合わせた造語で、ホテル並みの設備やサービスを利用しながら、自然の中で快適に過ごすキャンプの事で、従来型のキャンプとは一線を画し、テントの設営や食事の準備などの手間がかからず、初心者でも気軽に楽しめる点が人気を集めています。
多くの場合、キャンプ場などに予め設置されたテントやキャビン(小屋)などの施設を利用します。施設はホテルの一室をそのまま自然の中に設置したイメージで、冷暖房や風呂・トイレなどが完備されています。食事については、用意された食材を焼いてバーベキューを楽しむ、料理がテントに運ばれる、といった形で提供されるため、調理器具を使って作る必要はありません。
私どもが宿泊いたしましたのは「伊勢志摩エバーグレイス」のキャビンです。ですので、食事は自分たちで用意しました。2チームに分かれてのこだわりのカレーライス対決!ビール缶に鶏丸ごと1匹を刺し焼き上げる「beer缶チキン」、松坂牛100%パテのハンバーガー、伊勢の魚介類などを堪能し、食後には焚き火を囲んで…社内での初のアウトドアを楽しみました。
翌日は、雨のパールロードを走り、鳥羽へ!
鳥羽では、鳥羽水族館に行きました。鳥羽水族館に訪れたことがある方は多いかと思います。足早での館内の見学となりましたが、美しい熱帯魚から大きなスナメリやマナティ・海獣のセイウチやトド…アシカのショーも見られ、たくさんの生物に癒されました。
中でも、2018年7月に全面リニューアルされた世界初となる水上透明チューブの中を水面ウォーキングしながら観察できる設備が面白かったです。足を踏み入れると、すぐ足元をアザラシたちが泳ぎ、体重700kgを超える巨大トドがすぐ横に超ド迫力のダイビング!大人も子どもも大興奮で見ていました。
その後、海女と漁師の町「相差(おうさつ)」へと車を走らせ、まずは「相差かまど」へ!「かまど」とは、海の目の前にある海女さんが身体を休める海女小屋のことで、現役海女さんから海での体験や漁のお話を聞きながら、目の前で新鮮な魚介類を焼いていただき食べることが出来ます。ご存知だと思いますが、海女とは、素潜りでアワビやサザエ、海藻等をとる漁を生業とする女性たちのことで、他には類のない女性の漁師さんと言えます。
海女の歴史は古く、縄文時代や弥生時代の貝塚からは、大きなアワビ貝や、それを採るために使ったと思われる、鹿の角を加工した道具が発見されていることから、男女の別はわからないにしても、古代から受け継がれている漁法であるとの研究者の報告があります。海女漁は、素潜りという独特の潜水技術による漁法で自然なる海の獲物を採り続け、長い時間、持続してきた素晴らしい漁法です。また、その持続性・継続性には大きな意味があり、地域ごとに厳しく漁期を定めたり、漁獲できる貝の大きさを定めるなど、多くの約束事を決めて、漁獲対象とする資源を「獲りすぎないよう」「獲り尽くさないよう」に守り続けているそうです。
現在、日本には、約2,000人の海女さんが現存していて、そのうち、全国でも最多となる約750人が鳥羽市・志摩市にはいるそうです。海女漁業の振興や海女文化の保存・継承に向けて、平ミシュランより星1つを頂いているそうです。
また、相差には、パワースポットで人気の石神さんがあります。相差町の海女さん達が、安全大漁を願って密かに石神さんに祈願し続けてきたことから、石神さんは『女性の願いなら一つだけは必ず叶えてくれる』と言われるようになりました。神明神社の参道にある小さな社で、祭神は神武天皇の母君 玉依姫之命(たまよりひめのみこと)で女性の神様です。高さ約60cm程の石をご神体としています。
また、町の様々な場所に星のマークや格子縞が描かれています。このマークは、伊勢志摩の海女さんたちが魔よけにと、手拭い等に縫いこんで持っています。星のマークは『セーマン』と呼び、一筆書きで必ず同じ場所に戻ってくることから、潜水しても必ず浮上できるようにとの意味を持ち、格子縞は『ドーマン』と呼び、出入り口がわからないから悪魔が入りにくく、その間にトモカズキといわれる悪霊から逃げられると信じられています。元来『セーマン』は平安期の陰陽師 安部清明、『ドーマン』はそのライバルである蘆屋道満からとったものといわれています。星印は清明判として日本各地で、魔よけとして用いられています。また、悪疫を逃れるための『蘇民将来子孫家門』という札や『笑福』や『千客万来』など札が付いたしめ縄が1年中戸口に掛けられているのも興味深かったです。
石神さんを後にし、最大のパワースポットである伊勢神宮へと向かいましたので、来月号にてご紹介いたします。