4月14日の熊本地震災害では、熊本県を中心に甚大な被害があり、復興に向けて被災者の方々は頑張っておられると思います。被災地域のために我々のできることは、ボランティア、被災地域の商品等の購入、そして被災地域に対する募金です。テレビやマスコミや各種団体等から義援金等の募集の案内があります。そこで今回は、義援金・支援金について説明します。
義援金とは、大災害に見舞われた被災者を金銭的に援助する目的の寄付金で、被災者に支払われる見舞金のことです。各種公共団体で募っている義援金は義援金配分委員会を通じて直接被災者に分配しているため、何に使われるかが明確で透明性が高いそうです。
一方、募金とは、公共団体、市民団体、福祉団体、NPO法人などが活動資金を募ることです。特に支援金は、被災地で支援活動するNPO法人やボランティア団体に対して送られる寄付金のことで、救援すべき弱者のために直接使われる以外に、活動に必要な人件費や事務費や現地活動費などにも使われることがあります。
義援金は被災地の自治体に送られ、義援金配分委員会によって義援金の100%が公平・平等に被災者へ配布されます。確実に被災者の元へ届けたいということであれば、支援金よりも義援金の方が良い反面、公平・平等に配分しなければならないうえ、その作業も自治体が被災した混乱の中で行うため、被災者の元へ届くまでに、かなり時間がかかるという問題があります。「支援金は被災者へ直接届けられるものではないため義援金の方が良い。」「使途や収支報告は行われているが、支援金の用途は各支援団体が決め、無駄遣いされる可能性がゼロではないため義援金の方が良い。」などとも言われています。しかし、被災地での救命・復旧活動に役立てられるのは、義援金ではなく支援金で、被災者のニーズに応じて迅速な対応ができるのも支援金であるようです。
(出所:日本財団HP)
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次に、支出した義援金の税について説明します。
個人の場合
@熊本県等の県や市町村に義援金を支出
義援金は特定寄付金に該当し、寄付金控除の対象になります。
A日本赤十字の災害義援金を支出
@と同様になります。
B現地での災害支援を目的としているNPO法人に義援金を支出
「認定NPO法人」に該当する場合で、その法人の行う特定非営利事業に関連するものであれば、「特定NPO法人等に対する寄付金」に該当します。
C募金団体に義援金を支出
募金団体の義援金が最終的に地方公共団体に拠出するものであれば、「特定寄付金」となり
ます。それ以外のものであれば、寄付金控除の対象にならないものもありますので、ご注意下さい。
D直接個人に義援金を支出
寄付金控除の対象となりません。受け取った人は、社会通念上相当を認められるものについては、贈与税及び所得税の課税の対象となりません。
個人確定申告時に、上記の義援金で寄付金控除を受けようとする場合は、地方公共団体が発行する受領書・日本赤十字社の発行する受領書等・郵便振替や銀行振込の場合の半券や控等、どのような義援金であるかを証明する書類・新聞報道や募金団体のホームページ等を保存して下さい。
法人の場合
@上記のように義援金を支出
国や地方公共団体に帰属する義援金は「国等に対する寄付金」に該当し、その全額が損金に算入されます。 認定NPO法人に対する義援金の場合は「特定公益推進法人に対する寄付金」に該当し、特別損金算入限度額の範囲内で損金に算入されます。
A被災した取引先に義援金を支出
被災した取引先に対し、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、災害を受けた取引先が営業活動を再開するための復旧過程にある期間において支出する災害見舞金は、交際費等に該当せず損金に算入されます。
B被災地域に自社製品を配布
法人が、不特定多数の被災者を救援するために、緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄付金又は交際費等に該当せず、広告宣伝費に準ずるものとして損金に算入されます。
法人の確定申告においては、義援金の場合は支出したことを確認できる書類(受領証や振込書の控)を保存し、申告書に「寄付金の損金算入に関する明細書」を作成し添付します。
被災された個人や法人の救援するための義援金等は、ふるさと納税のように見返りを得ようとするものではなく、純粋に被災者等の為に役立つように行うものですが、支出した者にも税の恩典がありますので、上記資料は保存しておいてください。