最近話題になっているビットコイン(仮想通貨)の価値が急騰し話題になっています。購入し所有することには問題はありませんが、それを通貨に換金したり、商品を購入する為に使用した時に課税されます。
ビットコインとは、インターネット上の通貨で、ビットコイン同士の送金がスムーズで送金手数料があまり掛らないというメリットがあります。
ビットコインが高騰しているのは、総発行量(2,100万ビットコイン)が決まっているからで、インターネット上でその取引を全ての人が監視できるようになっていて、信用があるからだそうです。日本でもビットコインで決済できる店やビットコインを両替できるATMが設置されているそうです。それを利用できる人々が増えるにつれ需要が膨らむため、ビットコインの価値が上がる訳で、投機目的で購入する人も増え、更に価値が上るようです。日本の円のように、通貨が安定している場合はビットコインの必要性を感じる人は少ないかもしれませんが、政治経済が不安定な発展途上国ではネット上での通貨であるビットコイン等の仮想通貨が自国の通貨より安心して保有できるのかも知れません。
仮想通貨とよく似ているように思われていますが、電子マネーは自分のお金を電子マネーに替え、それでモノを購入するもので、銀行で現金を引き出したり、クレジット決済を必要としない便利なものですが、投機の要素は無いので価値が上下することはありません。
原則、ビットコインだけでなくすべての仮想通貨について、売却や使用によって得た所得は雑所得として区分され、確定申告が必要となります。
給与所得者で年間20万円以下の他の所得に関しては申告が不要ですが、仮想通貨の値上がりを考慮すると、殆どの人に関係してくるのではないかと思います。また仮想通貨に関しては、株やFXのように申告分離課税は適用されず、最大で55%(住民税を含む)の累進税率が適用されます。
仮想通貨の売却
仮想通貨の売却に関しては、『取得した仮想通貨の金額』と『売却した金額』の差額が所得となります。
例 2,000,000円で4ビットコインを取得し、0.2ビットコインを110,000円で売却
110,000円−(2,0000,000円÷4)×0.2=10,000円
10,000円が所得となります。
仮想通貨での商品の購入
仮想通貨を店舗などで使用した場合も、『取得した仮想通貨の金額』と『使用時の金額』の差額が所得となります。
例 2,000,000円で4ビットコインを取得し、155,000円の商品を0.3ビットコインで購入
155,000円−(2,000,000円÷4)×0.3=5,000円
5,000円が所得となります。
仮想通貨同士の交換
仮想通貨で他の仮想通貨を購入した場合、元々の仮想通貨を円換算した上で、他の仮想通貨を円換算した時価との差額が所得となります。
計算は、上記と同様になります。
仮想通貨の取得価額
同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)。
仮想通貨の分岐による新コインの取得
仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。なお、その場合の取得価額は0円となります。
仮想通貨に関する所得区分
個人利用は原則として雑所得に区分されるが、事業費決済などで利用する場合は事業所得となる。また、仮想通貨の売買や使用によって生計をたてていると明らかである場合は、事業所得として認められる場合もあります。
損失
雑所得として区分される場合は雑所得以外の所得との損益通算ができません。
仮想通貨の所有には課税されませんが、売却や使用した時に利益があった場合は課税されます。しかし、原則として雑所得であるため、損失があった場合は他の所得と通算できませんので、注意が必要です。