今上天皇の退位と皇太子さまの新天皇即位に伴い、2019年のゴールデンウィークは4月27日から5月6日までの10連休となることが決りました。長期休みは、観光業界や小売業界を中心に経済波及効果を期待しています。
東洋経済のオンライン記事によると、JTBの推計によれば、2018年の日本人海外旅行者数は1890万人と6年ぶりに過去最高を記録し、2019年も1910万人と連続更新が見込まれるそうです。特に今年は日程調整をする必要がないため、昨年末時点で、各社の予約件数はすでに数倍の規模に膨らんでいるもようです。 国内の行楽地もにぎわいそうで、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは「天候には左右されるが、休日が多くなるという点で集客増につながると期待している」(会社側)また、「行楽地へのドライブが増えることから、ガソリン需要は増加するとみている」(ガソリンスタンド運営会社)などと記載されておりました。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鹿野達史シニアエコノミストの試算によると、10連休は通常のGWに比べ、9265億円の消費押し上げ効果があるという。休みが単純に3日間増えるという前提の試算ということもあり、10連休である点を勘案すれば、「効果がさらに大きくなる可能性がある」(鹿野氏)とのことです。
小売り各社もポジティブな反応が目立ち「魅力のある企画や商品を準備して、顧客をお迎えしたい」(イオン)。「店舗ごとに集客力のあるイベントや催事を10連休に充てて、消費を盛り上げたい」(三越伊勢丹)。ただ具体的な販促策については、各社とも様子見といった状況だ。
日本取引所グループは2018年12月21日、GWに市場を10日連続で休場すると正式発表し、休場中の最大の課題は、連休中に海外市場の株価や為替を大幅に変動させるような出来事が起きた場合の影響です。休場が続く日本の株式市場では、売買を通じた株価の調整が働かない。連休後の取引では、たまった変動要因を一気に織り込もうとして、株価が激しく変動する事態が想定されそうです。
ネット通販の拡大などで配達現場が逼迫している物流業界は、人手のやり繰りに苦労しそうです。業界内では、連休期間中に百貨店や量販店のセールが増え、GW直前から休み期間にかけて輸送量が跳ね上がるという見方が大勢を占めるそうです。
つまり、10連休をうまく利用できる人は旅行やレジャー・通販等のショッピングによる好影響があります。しかし、工場や物流・金融では、その人材確保等で悩みが多いと思われます。
カレンダーを見ますと4月26日が金曜日になっています。それから5月6日月曜日まで休日になります。このことを経理サイドで検討します。
@支払の締め 25日締め、月末締めの請求書の作成時期
特に月末締め翌10日払いの事業所は26日に締めて即請求書を発行しなければなりません。
時間的に間に合うように27日に出勤が必要かもしれません。
A給与の支払
月末支払の給与は、大半が銀行振込になるため26日には着金になっていることが必要です。3営業日必要な金融機関が多いので、23日までに支払業務をする必要があり、それまでに給与計算を完了することが必要になります。
B月末支払
給与と同様に26日に支払を完了しなければなりませんので、早い段階での振込業務が必要になります。月末が休日である場合、翌営業日である5月7日になりますが、銀行の営業日を理解して支払予定を立てる必要があります。
C月末入金
月末入金が26日に入金になるのか5月7日になるのか確認する必要があります。通常翌営業日になるので5月7日になるのが多いと思われます。
D5月1日から新元号になるため請求書及び領収書の元号訂正
金融機関のシステムも元号改定の作業を連休中にするのでATMが連休中休止することも考えられます。
E在庫
連休前に流通在庫を増加させるため連休までに受注が増加する可能性があります。
また10連休になるので5月の生産量が減少する可能性がありますので、計画的な生産を事前に対応する必要があります。パートさんもお子様の学校が休みになりますので連休中の出勤は困難になると考えられます。
F納期
10連休中の納期は物流が止まりますので、納期の注意が必要になります。
特に建設業等は完成引渡日に注意が必要です。
G税務申告等
4月末申告納付の法人は5月7日が申告納付期限になります。
H日給月給やパートの給与
5月分は10日間の休みになりますので給与が通常の3分の1少なくなります。
I釣銭等の現金管理
現金商売の場合、売上金額や現金支払の現金管理及び釣銭の両替に注意が必要です。
J連休明けの仕事の増大
10日間の休み明けになりますので、月末締めや入金支払の量が7日に集中すると考えられます。また、10日の支払・入金業務が直ぐに来ます。
以上のように様々な問題があると思いますので、今から対策を立て生産計画や休日出勤で対応をしなければなりませんね。